格安SIMの解約→乗り換えは要注意

数年前まではデータ通信しか利用できなかった格安SIMだが、今は音声通話に対応した格安SIMが数多く提供されている。電話番号を維持したまま通信会社を乗り換える「携帯電話・PHS番号ポータビリティー」(MNP)制度を利用すれば、電話番号そのままで通信料金を大幅に抑えられる。

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しかし、毎月のデータ容量が利用実態に合わなかったり、通信品質や通信速度に不満を持ったりする場合もある。また、他社で魅力的なサービスが登場するケースも少なくない。このような問題を解決するため、他社の格安SIMに乗り換えを検討するユーザーも多い

今回は、格安SIMを解約したり、格安SIMから別の通信会社へ乗り換えたりする際に、注意すべきポイントを解説しよう。

●解約手数料がかかる場合がある

 NTTドコモ、au、ソフトバンクといった大手通信会社では、2年単位の長期利用を前提に、基本料金を割り引くサービスを提供しているこのサービスを使った場合、契約更新月以外で解約すると、9500円の解除料を支払わなければならなくなる(いわゆる「2年縛り」)

格安SIMでは、2年縛りのように長期間継続する契約はないので、比較的解約しやすい。ただし、契約から一定期間(おおむね6カ月~12カ月、最低利用期間)内に解約した場合、早期解約に伴う手数料が生じる場合がある通信会社によって異なるが、6000円~1万2000円程度だ。契約後に早々と乗り換えてしまうと、損をする場合もある。

また、MNP制度を利用すると、転出手数料がかかる。大手携帯電話会社の手数料は3000円。多くの格安SIMも3000円程度となっているが、なかには1万円以上という格安SIMもある。契約内容をしっかり確認しておかないと、思わぬ出費になりかねない

それでは、主な格安SIMの解約・MNP転出時の条件をチェックしてみよう。

最低利用期間は各社でバラバラ

 まずは最低利用期間と解約手数料を見てみよう。以下の表は、主な音声通話SIMの最低利用期間をまとめたものだ。期間内に解約した場合の解約手数料(契約解除料や違約金などと呼ぶ場合もある)も併記した。

最低利用期間が最も長いのは、「BIGLOBE SIM」(BIGLOBE)と「DMM mobile」(DMM.com)だ。どちらも利用開始月の翌月から12カ月以内(例:2016年4月に利用開始した場合、2017年5月まで)に解約すると、解約手数料がかかる

格安SIM大手の「OCN モバイル ONE」(NTTコミュニケーションズ)は、利用開始月を含む6カ月間(例:2016年4月に利用開始した場合、同年9月まで)と比較的短い。

期間内の解約手数料だが、おおむね6000円~9800円の間だ。IIJmioの場合は最低利用期間の残り月数によって手数料が異なり、1000円~1万2000円の間で変動する

一方、「FREETEL SIM」(プラスワン・マーケティング)、「mineo」(ケイ・オプティコム)、「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE」(ヨドバシカメラ)のように、最低利用期間を設けていない通信会社もある。これらの格安SIMであれば、解約に伴う手数料もかからない

転出時に1万円以上かかるケースも

 続いては、MNPを利用する場合の転出手数料を見てみよう。以下の表に、主な格安SIMにおける転出手数料をまとめてみた。

OCN モバイル ONE、IIJmio、楽天モバイルなどの転出手数料は3000円。DTI SIMはやや高めの5000円だ。

転出手数料が1万円を超えるケースもある。FREETEL SIMの場合、利用開始月の転出手数料を1万5000円とし、1カ月ごとに1000円ずつ減額。13カ月目以降は2000円の定額としている。

mineoは利用開始月の翌月から12カ月目までに転出すると、1万1500円、13カ月目以降は2000円の転出手数料がかかる。また、ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEは、利用開始から転出するまでの期間に関わらず、1万1000円の転出手数料が請求される。

 実は、手数料が1万円を超えるこの3社は、いずれも解約に伴う最低利用期間と解約手数料を定めていない。その代わり、早期の転出希望者(ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTEはすべての転出希望者)に対し、高額な手数料を定めている。他社へ乗り換える可能性がある場合、この3社については契約の是非を慎重に考えるべきだ。

最低利用期間内の乗り換えに注意すべき

 多くの格安SIMでは、最低利用期間を過ぎれば2000円~3000円の転出手数料を支払うことで、他社の格安SIMに乗り換えられる。転入先の通信会社では新規契約手数料がかかるため、乗り換え時の実際のコストは合計5000円~6000円となるが、大手携帯電話会社と同等の手数料か、それよりも安い。

ただし、乗り換えのタイミングは慎重に検討したい。ほとんどの格安SIMでは、音声通話SIMに最低利用期間が設けられている。この期間内に乗り換える場合、上記のコストに加えて解約手数料がかかるのだ

例えば、OCN モバイル ONEの最低利用期間での他社へ乗り換えコストは、合計で1万4000円にもなる(MNP制度の転出手数料3000円、解約手数料8000円、転入先の新規契約手数料3000円)。最低利用期間を過ぎれば解約手数料はかからなくなるので、乗り換えを検討する際にはこの期間を必ず確認しておきたい

一方、最低利用期間と解約手数料を設けていない格安SIMでも、他社への転出手数料が高い場合がある。1万円を超える場合があるため、契約時に注意が必要だろう。 (文/松村武宏)

日経トレンディネット2016.03.08

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