核実験から2ケ月制裁決議採択

 国連安全保障理事会は2日、北朝鮮による核実験と長距離弾道ミサイル発射に対する制裁決議案を採択する北朝鮮が核実験を強行してから56日が過ぎ、ついに国際社会による制裁が始まるわけだ主な内容は北朝鮮を行き来する船舶や航空機による輸送の封鎖、北朝鮮が海外に保有する金融資産の凍結、主な鉱物資源や武器取引の禁止などだ

 今回は以前の制裁にはなかった新しい内容もあるが、一方で抜け道も少なくない例えば石炭や鉄などの輸出は禁止されるが「生計目的あるいは核兵器とミサイル開発のための収益確保が目的ではない場合」を例外としている。しかし実際のところ何が生計目的になり、また何が核兵器とミサイル開発のためになるか明確に区別するのは難しい。さらに中国による原油の支援や衣料の加工貿易、海外への労働者派遣も今回の制裁から除外された。いずれも中国が強く主張してできた抜け道だ

6カ国協議で中国の主席代表を務める武大偉・朝鮮半島問題特別代表は「今回の国連安保理決議を(中国は)全面的に履行する」とコメントし、また実際に中国が北朝鮮との鉱物取引や金融取引を遮断あるいは制限する可能性は間違いなくあるだろうしかしこれがいつまで続くかは疑問だ北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に対する一時的なけん制や、韓国や米国など国際社会が主張する中国責任論に反論するための証拠作りが目的であれば、中国はしばらくすると数々の抜け道を通じて北朝鮮との取引を再開するだろうつまり北朝鮮に対する制裁が本当に効果を発揮するかどうかは、最終的には国連決議の内容よりも中国がいかに本気で制裁を続けるかが重要な鍵になってくるのだ
 ちなみに中国は北朝鮮に対する制裁に加わる一方で、平和協定に向けた交渉を並行して進めることも主張しており、また米国もこれに検討の余地があると考えている韓国国内にも「平和協定を核兵器廃棄との取引材料にすることは不可避」との見方があるのも事実だ。これは今後の韓半島(朝鮮半島)情勢を大きく転換するきっかけになりかねない重大な事案だ。米国は過去にも北朝鮮に対する制裁を進めたかと思えば、突然対話姿勢に転換するようなことが何度かあった。また実際のところ今後本当に局面が転換するのか、あるいはそれがどのような形で実現するのか予測することも非常に難しい米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備問題もいつしか微妙な雰囲気に変わり始めている。この問題に対する中国の反対姿勢は一貫しており、米国も表向きは「THAAD配備は交渉対象ではない」としているが、以前のように配備を強行あるいは急ぐような雰囲気が感じられなくなったのも事実だ

北朝鮮の核問題には世界に影響力のある複数の国が関係しており、また多くの要因が複雑に絡み合っているため、一つの戦略だけでは絶対に対応し切れないだろう。制裁により北朝鮮に圧力を加えることばかりに没頭し、局面転換の機会を見逃すような失敗も犯してはならない。国際社会による制裁が効果を発揮するか、あるいは米中両国がいかなる戦略を持って動くかをわれわれは正確に把握し、その上で迅速に対応しなければならず、もし道を誤れば思わぬしっぺ返しを食らうこともあり得る。国連による制裁決議が採択された今、われわれはどこまで到達し、またどこに向かうかをあらためて確認するなど、常に大局に立った判断を下していかねばならない

朝鮮日報日本語版 2016.03.02
 images (3)images

【関連する記事】