栄養ドリンク→本当に効くの?

● 差し入れの栄養ドリンクを すぐに飲んではいけない?

残業中に上司が差し入れてくれた栄養ドリンク。まずは、「ありがとうございます! 」と御礼を言いますよね。でも、そのときすぐ口にするかどうかは慎重に判断するのが正解です。

栄養ドリンクを常飲している栄養士というのはあまりみかけません。でも、自ら買うことがないにしても、他の方からいただいて、あと2、3時間やりきれば終わるときだったら、私も口にすることがあるかもしれません。一方で、深夜0時をまたいで、睡魔とも戦うであろう時間になることが予想されるなら、もしくは、そうした残業が長い日数に渡るのであれば、「あとでいただきます! 」といってそっとデスクの引き出しに仕舞い込みます。

ほとんどの栄養ドリンクに多く含まれるカフェインそれは、一時的には脳を活性化し、パワーがみなぎったように感じることがあるでしょう。ですが、栄養ドリンクには砂糖も多く含まれているので、血糖値が急上昇したのち、血糖値が急降下して、1~2時間のうちに眠気やだるさを誘ってしまいます

そもそも、あと1、2時間なら気合だけでも乗り切れるときってありますよね。何かに頼りたくなるのはそれ以降。栄養ドリンクを摂ることによってその最初の数時間をしのぐことはできても、長時間にわたって頑張れるわけでも、ましてや、永続的に疲れにくい身体になるわけでもないことは、皆様の経験からも明らかなはずです

また、「タウリン配合」という表示にひかれることもあると思います。CMなどでおなじみの成分で、誰もが良いイメージを持っているのではないでしょうか。実際、タウリンには疲労回復、肝機能を高めるなどの作用や、血圧を下げる、コレステロール値を下げるなど、ビジネスマンが求める働きが期待できます

でも、それは栄養ドリンクでないと摂取しにくいものかといえば、そうではありません。タウリンは、魚介類に多く含まれます。たとえば、「タウリン1000mg配合」とうたわれていたとして、それをタコにおきかえると、おおよそタコの足1本分で同等の量を摂取できます。大き目の牡蠣を5個いただけば、1000mgすら超えてしまいます

 

また、体内での必要量を満たすには食べ物からの摂取による部分が大きいものの、タウリンは体内で生成することもできるため、普段から規則正しくバランスの良い食事をし、正常に機能する身体を維持していることが大事です。しかも、食事としてとれば、疲労回復に良いとされるビタミンB群など他の栄養成分も同時に摂取できる可能性が高まります

● 忙しい人こそ一日三食 食事は究極のリラックス法だった

また、もしも栄養ドリンクを差し入れる側の方であれば、そのドリンクのために出費をする前に、部下の平均的な昼食時間帯から9時間以上を空けずにブレイクタイムを設けて食事をすることをすすめてください。

たった一日、数時間の残業であれば、本人の裁量に任せても問題はありません。ただ、長期間に渡るプロジェクトなどであれば、今日頑張ってもらっても、免疫力が低くてすぐ風邪をひいてしまうようなメンバーがいると、正直言って、困りますよね。ひとりが風邪をひけば、同じチームのメンバーにうつってみんなでダウンしてしまうことだって考えられます。

そんな免疫力に影響を与えているもののひとつに、自律神経があります。自律神経は、無意識に身体の動きを調整してくれていますが、この自律神経には、気持ちを興奮させる交感神経とリラックスさせる副交感神経があります。どちらが良い、悪いではなく、このバランスがとれていることが大事で、このバランスが崩れると免疫力の低下を招きます

リラックスしながら仕事しています! なんて人はきっとそんなに多くなく、ましてや、納期直前、プレゼン直前などは戦闘モードそのもので交感神経も優位になりがちです。つまり、バランスを崩しやすいコンディションにあるのです。そんなときに副交感神経の働きを高めるに有効なのが“食事をとる”ということなのです

食事による消化活動は副交感神経の働きで行われため、優位になりすぎた交感神経とのバランスをとる助けになります。もちろん、あと1時間で間に合わせないといけない資料があるのに食事をとる…なんてことは非現実的かもしれませんが、全体的に仕事が忙しく、絶対に会社を休めないときこそ、三食のリズムをととのえて、副交感神経を働かせることが必要なのです

 

● 残業中に食べてはいけないモノ うどん、そば、寿司は眠気を誘発

残業中……といった時間帯に気軽に行けるようなお店は限られてしまうので、その食事はそんなにストイックにならず、基本的には、その後の残業を頑張る気になれるようなものをいただいても問題ありません。ただ、どうせ食事をとるならば、少しでも仕事のパフォーマンスが上がるようなものが食べたい、と少なからず思うはずです。

「残業中に何を食べるのが良いですか? 」
「集中力を上げるには何を食べたら良いですか? 」
「プレゼン前には何を食べたら良いですか? 」

といった質問をされることも多々あります。でも、実際に即効性で考えるのであれば、何をプラスするか、ということよりも何をマイナスするか、を考えるのが良いでしょう。

「残業中に食べてはいけないものを避ける」
「集中力を下げるものを避ける」
「プレゼン前に食べてはいけないものを避ける」

というようにリスクを避ける方法です。何か特別なものに頼るよりも、リスクを避けるだけでも効果が感じられるはずですそのリスク要因となるのは糖質を多く含んだり、炭水化物だけで済ませたりするような血糖値を上げやすく、集中力を下げたり、眠気を誘引する食べ物、飲み物です。うどんやそばはわかりやすいですが、回転寿司・立ち食い寿司などを利用する方は、酢飯に多く含まれる砂糖に気をつけてください

● 糖類ゼロ飲料、ナチュラルウォーターに落とし穴!  残業中にオススメな飲み物は……

そして、最近、少し紛らわしいな…と思うのは、コンビニなどでナチュラルウォーターの近くにおいてある○○味の水。ジュースのように色がついていないですし、「ジュースみたいに身体には悪くない、味付きの水」くらいに思って飲んでいらっしゃる男性もいらっしゃいます。

でも、次に手にしたら、裏側をみてください。お水だと勘違いしそうなそのボトル、原料をみてみると、糖類(果糖、砂糖)と書いてあるはずです。その糖類を、よくコーヒーに添えられているスティックシュガーに換算すると、5本分も入ってる…なんてことも。しかも、○○味、となっていても無果汁。味をととのえるために、酸味料や香料などが添加されています

 

また、「糖質には気をつけています」という方も、ちょっとした落とし穴には要注意です。「糖質ゼロ」と思って買ったその缶コーヒー。よくよく見ると「糖類ゼロ」と書かれていませんか?

「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」。その違いをご存知でしょうか。実は、糖類が指すのは「糖質の一部」となるブドウ糖、砂糖、果糖。一方、糖質はその糖類にプラスしてオリゴ糖や人工甘味料などさらに広い範囲になります

つまり、糖類ゼロ、と書かれているものでも、オリゴ糖や人工甘味料が入っているということ。それらを摂取すれば、砂糖ほどではないにしても血糖値を上昇させますし、そうすれば砂糖と同じような眠気や集中力の低下などの招いてしまいます。実際、缶コーヒーやチューハイには「糖類ゼロ」と書かれているものもあります。普段飲んでいるものが糖質ゼロなのか糖類ゼロなのかはチェックしておきましょう。

では、残業中に栄養ドリンクでもなく、缶コーヒーでもなく、何を飲めば良いの? と聞かれたら緑茶をおすすめします緑茶はカフェインを多く含みますし、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる食物繊維が豊富なので、ブレイクタイム後のお茶にも適しています

でも、ここにもまた落とし穴が。緑茶に含まれる食物繊維の多くは水に溶けない不溶性食物繊維なので、抽出したお茶には含まれないのですそこを解決してくれるのが粉末緑茶粉末緑茶は茶殻になる部分が粉末にされているので、食物繊維の摂取が期待できます。コンビニではなくスーパーに行かなければ入手できない場合もありますが、栄養ドリンクよりも、さらにはペットボトルでお茶を飲むよりもお得です。さらに、自分でお湯に溶かして飲むと濃さを調整できるので、ちょっとカフェインを多めにとりたい残業中などにもおすすめです

たださえ糖分、塩分の摂り過ぎになりがちな忘年会シーズン。残業のお供には身体への負担が少ないものにしたいですね。

 

参考 ダイヤモンドオンライン 2014.12.15

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