東芝→インド原発6基建設へ

米印両政府は7日東芝子会社の米原子炉メーカー、ウェスチングハウス(WH)がインドで原子炉6基の建設計画に着手すると発表した。WHとインド原子力発電公社が計画策定を開始し、2017年6月までに最終的な契約を結ぶ。原発を経営再建の柱に据えている東芝は今回の受注で弾みをつけたい考えだが、11年の東京電力福島第1原発事故以来、先進国では原発新設が停滞しており、先行きは依然として不透明だ

東芝にとってWHのインドでの受注が確定すれば、米テキサス州で2基を建設する「サウス・テキサス・プロジェクト」を受注した09年2月以来で、福島第1原発事故後初となる米政府は米輸出入銀行を通じ資金を融資することでも合意しており、東芝は「米印両政府が非常に協力的だ」と歓迎する

ただ、WHは29年度までに世界で64基の受注目標を掲げているものの、現在までに受注したのは米国の4基と中国の4基の計8基にとどまる「英国でも受注できる見通し」(東芝)だというが、福島の事故以降、世界的に原発新設の機運は落ち込み、さらに原油安で原発の経済的な優位性も薄れている「サウス・テキサス・プロジェクト」も電力価格の低迷で着工時期は決まっていない

原発を取り巻く環境が厳しくなる中でメーカー各社が期待するのが新興国市場だ日本原子力産業協会によると、16年1月時点で世界で101基の原子炉建設が計画されており、特に中国やインド、東南アジア、中東など新興国に集中している

 WHのインドでの受注が決まれば、東芝はこれを追い風にして、原子力事業をテコに経営再建を進めたい考えと見られるが、新興国市場を狙うのは日米メーカーだけではない価格の優位性を武器にロシアや中国、韓国などのライバル勢が「新興国需要を独占しかねない」との指摘もあり、東芝が今後も順調に受注を伸ばせるかは見通せていない。【小川祐希、宮川裕章】

◇◇ウェスチングハウス(WH)◇

東芝が2006年に買収した米原子炉メーカー大手。原発の新規建設や点検などを手がけている。東芝が沸騰水型軽水炉(BWR)を長年にわたって扱ってきたのに対し、WHは加圧水型軽水炉(PWR)を手がけていたため、買収を決めた当時の西田厚聡社長は「相互補完で世界水準の(原発プラント)メーカーになる」として傘下に収めた

06年には、東芝と合わせて15年までに33基の原発を契約、もしくは着工する計画を発表した。しかし、11年に発生した東京電力福島第1原発事故以降、世界的な需要低迷が続いているため計画を撤回した。また、その影響を受け、12、13年度にはWHは資産価値を低く見直す「減損処理」を実施した。

毎日新聞2016.06.08

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