月経前症候群(PMS)→現代病

■PMSの症状は本当にさまざま
「月経前症候群(PMS)」は排卵後から月経の直前の時期にかけ、さまざまな体調不良や精神的な症状が出て、月経が来たとたんにそれらの症状がすっかり消えてしまう病気です排卵後から2週間近く具合が悪い人もいれば、月経直前の1日だけ寝込んでしまうという人もいます

PMSの症状は本当にさまざまです。人によっては「え! そんな症状が出るの?」と驚いてしまう症状を訴える方もいらっしゃいます。

体の症状として代表的なのが、月経前の下腹の痛み・腰痛・頭痛・めまい・吐き気・ひどいむくみ・便秘・ニキビなど。他にも、肩こりや手のしびれなど、他の病気と紛らわしい症状の場合もあります

精神的な症状では、月経前のイライラ・気分の落ち込み・集中力の低下・仕事ができなくなる・不眠・理由もなく突然泣きたくなる・過食・甘いものばかり食べ過ぎるなど。いずれも、うつなどの精神科的な病気との区別しにくい症状が多いのですが月経が来たら嘘のように症状が消えてしまうかどうかで判別します

■私はPMS? 見分ける目安は
PMSかどうかの目安は、体調や気分の変化があっても日常生活が普通に送れているか、仕事に影響が出ていないかなど月経前には誰もが多少体調が悪くなったりイライラしやすくなったりしますが、それらの変化が極端で日常生活に支障をきたしてしまうレベルになるとPMSと言えます月経が来たとたんにケロっと治ってしまうのが特徴なので、基礎体温をつけながら体調の変化を記録するとPMSなのか自分でも見当をつけやすくなるでしょう

■PMSは「現代病」
昔はこういった病気が全くなかったのかと言うとそうではありません。おそらく「なんだか毎月同じ時期に極端に体調が悪くなるな」とか「生理前だけ性格が変わってしまうみたいだな」と感じていた人はいたはずです。ただ、PMSという病気の概念がなかったので病院で相談しても「精神的なもの」とか「我慢が足りない」といったことで取り合ってもらえなかったのではないかと考えられます

また、昔は月経が来るようになったら数年で子どもを産み始め、立て続けに何人も産んでいたので、妊娠・授乳期間の無月経が頻繁にありました。月経回数が少ない分、月経前の症状に悩まされることも少なかったわけです

現代は、晩産化・少子化のために一生のうちに迎える月経の回数が極端に増えました。その上、ハードワークや様々なジェンダープレッシャーにさらされているので、ストレスのせいでPMSになる女性は急増しています。そういった意味で、PMSは現代病と言えるでしょう

■PMSを軽減させるためには
ストレスや栄養の偏りはPMSを悪化させますのでできるだけハードワークを避けてストレスをためないことが最も大事です。ハーブティーやアロマなど、自分なりのリラックスアイテムを生活の中に取り入れて、気軽に気分転換できるようにするといいでしょう。

また、パン・ご飯・麺類などの炭水化物や甘いもの・カフェイン類などの過剰な摂取は避けて緑黄色野菜・小魚・ナッツ類を積極的に摂りましょうビタミンB群やE群・γリノレン酸・カルシウムをサプリメントで補うのも効果的です。チェストツリーやセントジョーンズワットなどのハーブはPMSの症状を緩和させると言われています。

また、低用量ピルで排卵を抑えるとホルモンの波が一定になるため症状が治まることがあります。完全に症状がなくならないまでも、体調の変化の「大波」が「小波」くらいに落ち着きます。

■受診をためらわず、早めに婦人科に相談を
PMSは精神的な症状がメインのことも多いので、「こんなことで病院に行くなんて」「自分の我慢が足りないだけなんじゃないだろうか」と受診をためらってしまう方も多いようです。でも、少なくとも自分でつらいと感じる症状があったり、日常生活に支障が出ているようであれば、早めに婦人科で相談した方がいいでしょう漢方やピルでかなりの改善が期待できますので、我慢せず一度受診してみてください

特に、精神症状が強い場合は、心療内科や精神科での治療が有効な場合も多いので、定期的なカウンセリングを受けたり、軽い精神安定剤などを併用しながら月経のリズムと上手に付き合っていく方法を探していきましょう。

文・清水 なほみ(All About 婦人病・女性の病気)

All About  2016.03.010

 images-3-48-150x150images-5-300x152

【関連する記事】