日欧EPA→年内合意も

政府が、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉の年内合意に向け、政府交渉団を拡充することが27日、分かった環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の出口が見えてきたことから、経済自由化交渉の基軸を米国からEUに移し、対EU交渉も加速させるEUと緊密な経済関係を築くことで、安全保障分野での協力も進めたい考えだ

政府は、TPP交渉をめぐり米議会が大統領に通商交渉の権限を一任する貿易促進権限(TPA)法を可決し7月にも合意できる見通しとなったことから対EU交渉団をこれまでの80人規模から100人超に増員する

日欧EPA交渉は7月6日からブリュッセルで事務方協議を行うが、政府は9月に東京で開催予定の協議から拡充交渉団を投入する方針だ。TPP交渉にあたっていたTPP対策本部のほか、外務、経済産業、農林水産各省などから人員を集める。

安倍晋三首相は先月、EUのトゥスク大統領らと首脳協議を行い、早期合意の重要性を確認。今月7、8日にドイツで開かれた主要国首脳会議(サミット、G7)の首脳宣言にも「年末までに日欧EPAに大筋合意するため、あらゆる努力を行う」と盛り込まれた

EUは世界の国内総生産(GDP)の約23%を占め日本にとっても重要な貿易相手。しかも、安倍首相の外交基本方針である民主主義や法の支配、基本的人権といった価値を共有し、急速な勢いで軍備拡張を続ける中国への警戒感も共にしている

TPPと日欧EPAを柱にして、新たな貿易・投資ルールを確立することや、経済活動の基盤となるシーレーン(海上交通路)の安全確保のため「航行の自由や飛行の自由の原則」の重要性を国際社会で強く訴えることで、軍事を含む覇権主義的な動きを強める中国を牽制(けんせい)する狙いもある

さらに、政府にとって国際テロ組織や武装集団、サイバー攻撃への対応で英仏独や北大西洋条約機構(NATO)との連携が課題となっているため日欧EPAをテコに安全保障面での連携強化も図る

参考 産経新聞 2015.06.28

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