日本の爆買い→香港店舗閉鎖

中国本土旅行客への依存度が大きい香港の小売業界が苦境にあえいでいる。ロイターが企業の開示資料を調べたところ、本土旅行客の数が減り、消費額も落ち込むなか、この1年間で店舗閉鎖や拡張計画の凍結に追い込まれた大手企業も出ている。

調査した上場大手10社のうち、6社はハンセン消費財サブ指数<.HSCICG>に組み込まれている。企業の開示資料によると、年間販売額の過半を中国本土の旅行客が占めている

各社はここ数年、時計や宝飾品、化粧品などに対する本土旅行客の「爆買い」で力強い販売の伸びをみせていた。このため、世界で最も高いとされた店舗賃料にも耐えられる力があった

しかし、本土旅行客は香港に背を向け始めている背景には、香港の普通選挙をめぐる本土とのあつれきや、マナーの悪い本土旅行客への反感が香港で高まっていることに加え、一部の旅行客がウォン安や円安の韓国や日本に旅行先を切り替えていることがある

宝飾品の周生生集団<0116.HK>、衣料品のボッシーニ・インターナショナル・ホールディングス<0592.HK>、ジョルダーノ・インターナショナル<0709.HK>、I.T<0999.HK>の4社が、過去12カ月で店舗数を減らしている

別の4社、化粧品の莎莎国際<0178.HK>、卓悦(ボンジュール)<0653.HK>、宝飾品の英皇鐘表珠宝<0887.HK>、衣料品のエスプリ・ホールディングス<0330.HK>は同期間で店舗数は変わらなかった。

一方、店舗数を増やしたのは、宝飾品の六福集団<0590.HK>、周大福珠宝集団<1929.HK>の2社にとどまったただ、いずれも増加率は4%で、8%を超えていた2009年以降の平均伸び率を下回っている

土旅行客の減少で香港の店舗賃料も下落しており、今年の下落率が最大15%に及ぶとの見方もある。とはいえ、一部の小売業者では販売の低迷を補うほどではないようだ

ジョルダーノの広報担当者は、「異常なほど高い」店舗賃料では新規出店にしり込みせざるを得ないと話す

店舗数を増やしていた周大福珠宝も、今年は商業地区の銅鑼湾(コーズウェイベイ)と観光地であるピークの2店舗を閉鎖する方針だ

英皇鐘表珠宝も同様の計画で、広報担当者は「(店舗の家主と)賃料を下げるよう交渉している」と話した

参考 ロイター 2015.06.04

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