日本とロシア→平和条約締結交渉再開へ

日本とロシアは平和条約締結交渉を再開することで合意しました実に約1年半ぶりとなります2年前、安倍政権はロシアとの関係を重視し、親交を深めようとしていましたそこで起きたのがロシアのクリミア侵攻2014年にウクライナ騒乱が発生し、ロシアはウクライナ南部のクリミア自治共和国に対して軍事行動を起こしたのですヨーロッパ諸国やアメリカはロシアに制裁を加え、日本もそれに準じる形を取ったので、日露平和条約締結交渉は途絶えてしまっていました

この交渉を再開しようというのです。

日本とロシアは産業的には補完的な部分が多く、お互いに利益がありますエネルギー問題にしても、原油や天然ガスがほしい日本とそれらの価格が下がり、できるだけ多く売りたいロシアとでは思いが一致します。また外交においても、日中間の関係が冷え切っている今、日露関係がどれだけいい状態にできるかは、大きなポイントになりますロシアにとってもヨーロッパとの関係が微妙な状況が続いていますから、日本との関係を改善することは意味があります

もちろん日露間には大きな課題もあります。まずなんといっても北方領土問題。ロシアのラブロフ外相は21日のモスクワでの岸田文雄外相との共同記者会見で、北方領土については話し合っていないという発言をし、岸田文雄外相が憮然とするという一コマもありました。北方領土問題を議題に上げたい日本とできるだけ触れたくないロシアとのスタンスの差は大きいのです。ロシアは中国とともに「戦勝国」の立場を国内外に強調しています。つまり、北方領土は戦争の結果、ロシアの領土となったというスタンスを固持しています

さあ、これからどうするか、です。私は、北方領土の問題は簡単には解決しないものであり、その交渉にいたるまでに、お互いの信頼関係を構築することが必要だと考えていますまずは交渉を再開し、その過程で、産業交流や民間交流などを積極的に進めるというのが現実的です。お互いの交流が深まれば、新たな展開も見えてくる可能性はあります。北方領土問題は、日本もロシアも柔軟に取り組む態度を持つことが大切です。確かに北方領土4島ともに日本の領土であるとは思いながらも、実効支配しているのがロシアであり、実際にロシア人が生活をしているという現実をみると、一気に4島返還が実現するとは思えません

政治家間の交流とともに、民間交流をもっと活発にすることも重要なことです。戦後70年が経ちました。簡単には物事は進みません。日本とロシアが相互にいい関係を持つ政策を優先し、信頼関係を深めることが実は問題解決への最も早い道と思えるのです。まずは北方領土へのビザなし観光を積極的に展開するのも一案エネルギーなどで日露間交流をさらに進め、お互いの経済的メリットを高めるのも必要でしょう

米ソ冷戦時代とは違って、日本人のロシアへのイメージはマイナスの部分が少なくなっています。しかし、まだ馴染みがあるという状態ではありません。おそらくロシアから見た日本も馴染みがあるという状態ではないでしょう。交流をし、友好の絆で平和を築くというのが日本国憲法の精神。日露関係の強化をさらに進めるべきだと思っています

参考 児玉 克哉 2015.09.23

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