新鮮さ欠けたアップル新製品発表

今月9日に開催された米アップル(Apple)の新製品発表イベント。「3Dタッチ」の『iPhone 6s』、マルチタスク機能を備えた『iOS 9』など、続々と自信作を登場させたがイベント後数時間で株価が2%下落元々、期待値が高いアップルだけに、投資家からは今回の発表は「目新しさに欠けていた」と見なされたということだろう。Twitterでは「非常にガッカリした」という類の投稿が続出するなど、消費者側の反応は今一つだった

■新鮮さに欠けた『Apple TV』

ティム・クックCEOが「次世代のTVはアプリがカギを握る」と語り、新OS『tvOS』を搭載した新型『Apple TV』。確かに新OSは新たな収益源になりうるが、商品としてはどうやら全ての人々に受け入れられる「便利さ」ではなさそうだ

例えばTouchセンサー内蔵のリモコン『Siri リモート』。タッチスクリーン世代は問題なく使いこなせるだろうが、従来のボタン式リモコンに慣れきっている世代には、なかなか辛いものがある。また、観たい番組やコンテンツを楽に引き出せるという機能は、すでに他社のサービスでも展開されている

そもそもApple TVが2500万台も売れた背景には、iPhoneのアクセサリーとして人気を得たという事実がある。実際のところ、2007年の発売時には299ドルだった販売価格を、2010年には99ドルまで値下げしたにも関わらず、販売数は頭打ち状態だった。米国内ではストリーミングサービスがすでに浸透しており、新しいApple TVを持ってしても新規顧客の獲得は簡単ではない

■故ジョブス氏が嫌っていた『スタイラスペン』

また「最先端のテクノロジー」と紹介されたスタイラスペン『Apple Pencil』だが、かつて故スティーブ・ジョブス氏が「スタイラスなんて発売した日には、我が社はおしまいだ」と語っており、アップルではNG商品候補だったはず。

高速スキャンレートによる素速い反応や、内臓圧力センサーによる細かな描写の表現がウリだが、果たして前CEOの意向を無視してまで販売する程のものなのか?という点が気になるところだ

ただ、元アップルの技術者が米サイト『ビジネス・インサイダー』に語ったところによると、スタイラスペンは何年もの月日を費やし、試行錯誤を重ねて開発されたものであるという。その成果もあってか、デザイナーや技術者など、ごく一部の客層をターゲットに開発された商品であるにも関わらず、現時点ではおおむね高評価を得ている様子だ

クック氏が故ジョブス氏の意向を押し切ったのは、何も今回が初めてではない。スタイラスペン同様、故ジョブス氏はiPhoneの大型画面化には反対だったが売上げが低迷した昨年、クック氏はアップルの大型画面化を決断。後iPhone 6の大成功は周知の事実だ

また、 脱ジョブズ とも囁かれた『Apple Watch』の販売も好調なようだ。「初代iPhoneやiPadよりも順調なスタート」を記録しており、主要なターゲットとなる中国でもすでに100万個以上のApple Watchを販売したとの噂もある。今回発表されたエルメスとのコラボも1100ドル(約13万円)と、決して手の届かない価格設定ではなく、売上を押し上げると見られる。

イベント発表直後の株価こそ下落したものの、11日(金)の時点では発表時を上回っている。米国の投資メディアでも、当面は同社が今の勢いを維持するとみている。新鮮さに欠けたからと言って、今回発表された製品・サービスが失敗と判断するのはまだまだ時期尚早だろう

参考 ZUU online 2015.09.12

 

【関連する記事】