新型プリウス→燃費40キロ

トヨタ自動車はハイブリッド車(HV)「プリウス」の新型モデルを12月に発売する予定だ現行モデルに比べ燃費が大幅に改善する。独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス検査不正問題を受けて、市場でのHVの競争力は相対的に高まる可能性があるとの指摘も出ている

13日の発表資料によると、目標燃費は一部グレードの現行測定方法のJC08モードで1リットル当たり40キロメートル。2009年に投入した3代目以来、6年ぶりの新型車で、現行の3代目は同32.6キロメートルとなっている。プリウスとしてはまた、初めて四輪駆動方式も新開発した。新型車は9月に米ラスベガスで世界初披露されている。来年初旬から順次海外に展開する予定。価格は発表していない。

プリウスは1997年の発売以来、7月末時点の世界販売累計で約350万台の人気モデル。トヨタのほかライバルも主力モデルにHVを相次ぎ投入するなど、HV市場をけん引してきた。新型車は長さと幅を現行より長くして車高を下げるなど、よりスポーティーなスタイルとなっているエンジンの最大熱効率を40%に高めたほか、システム全体の小型・軽量化などで低燃費化した。また、歩行者検知機能のある衝突回避システムなど安全技術を採用した。

ジェフリーズの中西孝樹アナリストは9日付のリポートで、排ガス検査が厳格化されるとディーゼルやガソリンエンジン車では予想以上にコスト増になるかもしれないと指摘。その上で、HVの競争力が相対的に高まる可能性があるとの見方を示した

ブルームバーグ・インテリジェンスによると、ディーゼルエンジンの排ガス問題をめぐる自動車メーカーへの消費者の不信により、欧米で排ガス規制が厳しくなり、コスト増につながる可能性がある。このため、より安いガソリン車やHVを消費者が求めるようになるかもしれないと、アナリストのタナー・マフィー氏とケビン・タイナン氏は指摘した

トヨタのHVシステム開発統括部の伏木俊介氏は13日の会見で、プリウスが最大熱効率40%を実現したのは、もともと熱効率が良い構造のディーゼルエンジンに「追いつけ、追い越せ」という姿勢で取り組んできたためだと述べた。その上で、トヨタとして「ディーゼルの開発もしっかり進めていくというスタンスは変わらない」と語った。

構造の異なるディーゼル車とHVでは、同じ熱効率を出すためにかかるコストはディーゼルのほうが高い。トヨタは低コストのHVでディーゼルと同様の熱効率を実現することで、より手ごろな価格で商品を提供することにもつながるとしている

参考 Bloomberg  2015.10.13

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