成人T細胞白血病→発症の仕組一端解明

成人T細胞白血病(ATL)が発症するメカニズムの一端を、京都大ウイルス研究所の松岡雅雄教授や安永純一朗講師のグループが解明した発がん機構の全容を知る手掛かりになる成果で、米国科学アカデミー紀要でこのほど発表した

 ATLは、ヒト白血病ウイルスがリンパ球の一種のT細胞に感染することで起こる国内では感染者は約108万人おり、毎年約千人が発症している。このウイルスは、胸の組織「胸腺」にある未熟なT細胞には感染しにくい一方、その他の組織の血管などに存在する成熟したT細胞には感染しやすいが、その仕組みは不明だった

グループは、ATL患者のT細胞の解析から、細胞の成熟に関わるタンパク質TCF―1とLEF―1が、ウイルスの感染を抑えていることを突き止めた未成熟のT細胞では、二つのタンパク質が多く存在し、ウイルス感染に必要なタンパク質の働きを抑制していた

松岡教授は「ウイルスが細胞をがん化させるメカニズムについても分子レベルで解明したい」と話している。

 

参考 京都新聞 2015.07.02

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