恐怖が人々の心をわしずかみ

原油相場の暴落が金融市場全体に波紋を広げているエネルギー企業以外の株式から金属、社債までが下落し投資家は逃げ場がほとんどなくなった

石油輸出国機構(OPEC)が2015年の需要見通しを引き下げたことを受けて、北海ブレント原油は09年以来で初めて1バレル=65ドルを割り込んだ投資家は原油相場がどこまで下がるのか見極めようとしている

「1ガロン2ドルのガソリンは素晴らしいものの、これは金融資産にとって健全な環境ではない」とグリーンウッド・キャピタル・アソシエーションのウォルター・トッド最高投資責任者(CIO)が話している。

MSCIオールカントリー・ワールド指数は2カ月で最大の下落。S&P500種株価指数は10日、1.6%下落した。新興市場株は8カ月ぶり安値となり、ベネズエラ国債は投資家がデフォルト(債務不履行)をほぼ確実視していることを示唆している。米ジャンク債(高リスク・高利回り債)のリスクの指標も2カ月で最大の上昇。銅と金はそれぞれ1.2%と0.2%下落

避難先を探す投資家が30年物米国債の利回りを7週ぶり水準まで押し下げ、円は10日までの3日間に1年余りで最大の上昇を演じた

原油は6月から下落基調でエネルギー株を道連れにしていたが、今回の急落では他の業種も下げ、S&P500種の主要10業種全てが1%以上、下落した。

RDMファイナンシャル・グループのロン・ワイナー社長兼最高経営責任者(CEO)は、「人間の心ほど簡単にとらえられてしまうものはない。今は恐怖が人の心をわしづかみにしている」と話した。助言会社サークル・スクエアド・オルタナティブ・インベストメンツのジェフ・シカ社長兼CEOも、「原油安は景気にプラス」というおまじないは投資家心理がある一点を超えてしまうと効かないと述べた

参考 Bloomberg 2014.12.11

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