性犯罪の罰則→魂の殺人

性犯罪の罰則のあり方について幅広い議論を展開してきた「性犯罪の罰則に関する検討会」。10日に提示された報告書案では、“魂の殺人”とも呼ばれる強姦(ごうかん)罪の法定刑の下限引き上げなどで積極派が多数となった。一方、性犯罪の公訴時効の撤廃・停止などでは慎重な意見が多かったが、幼少期に親族の男性から性的虐待を受けた女性は「時効撤廃が必要」と訴えている

◆人間の尊厳侵害

思い出すこと自体が苦痛。人の心身を踏みにじり、傷つけた行為を犯人にはしっかりと認識してほしい」。自らの性被害体験をつづった「性犯罪被害にあうということ」の著者、小林美佳さんは検討会のヒアリングの席で強調した。「法定刑が重くなることは必然だと感じています

法定刑の下限は現在、強盗罪で5年、強姦罪で3年となっている。強姦罪の法定刑の下限引き上げについて、一部委員が「最近は強姦の量刑の方が強盗より重くなっており引き上げる必要はない」と反対意見を出したのに対し、「それは社会の評価が変わってきたからだ」「強姦は(加害者に侵害される)性の自由だけでなく、人間の尊厳を侵害する」と賛成する委員が半数以上を占めた

◆男性も被害者に

現行法では強姦罪が適用されるのは「男性が加害者、女性が被害者」の場合だが、性差をなくすことにも多数の委員が賛成。その理由は「性の自由は男女に共通する」「男性のレイプ被害もある」。逆に「妊娠の危険性がある」と男女差を指摘する意見もあったが、反対は少数だった。

強姦罪などは被害者の意思を尊重する観点から、告訴を必要とする親告罪とされてきた。ヒアリングの出席者は「逆恨みの恐れがある」「恥の感情が生じている」と告訴の難しさを口にしたが、委員の多くは被害者の心理的負担に配慮した上で「諸外国が一様に非親告罪化している」と賛成した

一方、検討会では、強姦罪で10年、強制わいせつ罪で7年の公訴時効の撤廃・停止について、「時間の経過により証拠が散逸し、被害者、加害者ともに正しい裁判ができなくなる」など慎重派が多数だった

また、性交同意年齢(13歳)の引き上げは、「諸外国に比べると低い」「義務教育で線引きし16歳とすべきだ」「中学生同士の恋愛を犯罪にするのか」などと意見が割れた

参考 産経新聞 2015.07.11

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