対北制裁→顔に泥を塗った正恩氏

国連安全保障理事会の制裁決議を受け、中国政府が北朝鮮への厳しい措置を打ち出したのは、第一には国際社会の目を意識したものだ中国への当て付けのように挑発をエスカレートさせる金正恩(キム・ジョンウン)政権に対する“怒り”を見せつける意思もうかがえる中国の背信行為だとみなして北朝鮮側も対抗姿勢を強めており、一層の関係冷却化は避けられそうにない。(桜井紀雄)

「中国の対北擁護が制裁の効力をそいできた」

日米韓を中心に対北制裁でつきまとってきた不信感だ。これを打ち消すように、中国は、北朝鮮船舶の交易全面禁止や全輸出品への開封検査という強い措置に踏み出そうとしている

正恩政権は、中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表が訪朝中に長距離弾道ミサイルの発射を通告。武氏は最近、韓国紙に「北朝鮮は中国の顔に泥を塗った」と不快感をあらわにした。この怒りを目に見える形にしたのが今回の措置といえる。

ただ、北朝鮮貿易の9割が対中という現状のなか、全品検査は現場に多大な負担を強いる。複数の抜け道も指摘され、厳格な措置が続くのも北朝鮮で朝鮮労働党大会が予定される5月までだろうとの観測もある

一方、金正恩第1書記は、先制攻撃に言及するなど米韓との対決姿勢を誇示しているが政権内では、むしろ、決議に同調した中国に対する反感が強まっているという

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北東部、清津(チョンジン)に駐留する朝鮮人民軍第9軍団の兵力を中朝国境の茂山(ムサン)や会寧(フェリョン)に配備するよう指示が下されたともされる。今のところ、兵力の移動は確認されていないが、対中示威の一環とみられる。

産経新聞  2016.03.09
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