安全な飲み水→世界で8億人分不足

日本では水道の蛇口をひねれば安全な水が出るが世界では8億人以上が安全な飲み水を手に入れられないという。深刻な水問題を解決するため、今月韓国で国際会議「世界水フォーラム」が開かれた。そこでは、国によって大きく異なる水事情が浮かび上がった。

◇温暖化で加速

世界水フォーラムには168カ国から4万人以上が参加したバングラデシュ代表は「海面上昇に加え、水源となるヒマラヤ山脈の氷河減少で水不足が懸念されている」と、地球温暖化がもたらした異なる窮状を訴えたカタール代表は「他地域より水不足に直面している。海水の淡水化が急務」と強調エジプト代表は、ナイル川水源が他国にあり「我々の水は大半は外国に依存している」と危機意識をのぞかせた閣僚宣言は「水問題解決に向け官民など国際協力が必要」とした上で、「温暖化への対応が重要」と盛り込んだ

「水の惑星」と呼ばれる地球だが、水の大半は海水で淡水は2.5%。しかも、その多くは南極などの氷として存在し、川や湖といった利用しやすい水は0.01%程度にとどまる

世界保健機関(WHO)などによると、安全な水を入手できる人口の割合はソマリアは29%パプアニューギニアは40%エチオピアは44%しかない干ばつに直面する国が多いが、パプアニューギニアは熱帯雨林が広がる。雨が降っても上下水道の整備が遅れ、トイレなどの衛生施設が乏しければ、安全な水が手に入らないという

国連などは、2050年には人口増と経済活動で水不足に直面する人は現在の5倍に増えると予測する温暖化に伴う豪雨や干ばつで水事情は悪化し、世界銀行は報告書で「地球は、さらに乾く」と懸念した国際協力機構(JICA)は途上国を中心に、04~13年度に上下水道の専門家ら延べ8554人を派遣し、約2万人の研修生を受け入れた

◇日本も海外依存

日本も対岸の火事で済まない急峻(きゅうしゅん)な地形のため、河川の水量は雨が降ると急増し、やむとすぐに減少する東京都水道局は「日本は季節で流量が変わり、水利用の上で不利な状況にある」とし、歯みがき時などの水使用量を公表し、有効利用を呼びかけている

日本の食料自給率は約40%と輸入に頼る。環境省などの試算では、輸入食料の生産に使われた水は約800億立方メートル。国内の年間使用量に匹敵し、多くの水を海外の水に依存する

 JICAは「世界の水環境悪化は人ごとではない」として、水問題が深刻なアフリカを重視して「1000万人に安全な水を届けるとともに、衛生施設を整備したい」としている

参考 毎日新聞 2015.04.29

【関連する記事】