子宮筋腫についての2つの誤解

ちょっとした思い込みで、取り返しのつかないことになってしまうことってありますよね。
特に病に関する誤解は避けたいもの。子宮筋腫について、こんな誤解をしている女性がいます。

「子宮筋腫って、大きくなるとがんになるんですよね」

子宮筋腫は良性の腫瘍ですので、大きくなってもがんになることはありません。その昔、「切らないとがんになる」と患者を脅かし、子宮筋腫の手術を勧める悪徳医者がいたのです。筋腫ががんになるという誤った情報が流布する一因になりました

次に、こんな思い込みをしている女性もいます。

私の母もお祖母ちゃんも子宮筋腫で手術した。子宮筋腫の家系だから私もなるのかも。なったら切ったほうがいいのかな」

実は、子宮筋腫ができる原因はまだ解明されていません。なので、遺伝性かどうかもわからないのです。だからもし子宮筋腫が見つかっても、「やっぱり家系だ。切ったほうがいいかな」などと思う必要はないのです

切らないと不妊症になる?

そもそも子宮筋腫は、それほど珍しい病変ではありませんいちばん多いのは40代ですが、30代にも増えていると言われています痛みなどの自覚症状がなく、知らないうちにでき、知らないうちに小さくなって終わりというパターンも多いです

そのため子宮筋腫は、子宮がん検診を受けたときに発見されることが多いです。自覚症状はないのに検診で発見された場合、治療には注意が必要です。検診に付随するリスクに詳しい医師・近藤誠先生は次のように言います。

特に20代、30代の女性は気をつけてください。『切らないと将来不妊症になるかもしれない』などと言って手術を勧める医者がいるのです近年は超音波を使って簡単に検診できるので、気軽に検診を受けて、筋腫を発見される女性が増えています。痛みなど自覚症状がない限り、検診には近づかないほうが無難です

治療が必要な場合も手術は極力避ける

とはいえ、不正出血の量が多かったり、痛みがひどくなったりする場合は、医者に診てもらったほうがいいでしょう。その場合も、まずは手術以外の治療法を検討してください」と近藤先生は言います。なぜでしょうか。

「どんな手術でも、手術後の弊害があるからです。お腹を開けると当然、子宮や卵巣、小腸、大腸など内臓を覆っている薄い膜—-腹膜も切ることになります。切られても再生しますが、そのとき臓器にあちこち癒着することがあります小腸に癒着すると小腸を締めつけてしまうので便秘になりがちです。ひどい癒着だと小腸が詰まって腸閉塞という恐ろしい状態になります

手術後に便秘がひどくなった、と訴える女性は少なくありません。では、どんな治療がいいのでしょう? 手術を避けた治療法に「動脈塞栓術」があります。これは子宮筋腫に栄養を送っている鼠径部の動脈をふさぐ方法。栄養源を絶たれて、筋腫が縮小するのです。

「比較的新しい治療法です。後遺症が少なく、施術は局所麻酔で済むので身体への負担が少ない点では評価できます」と近藤先生。ただ「放射線を被ばくするので、将来の発がんが心配、というデメリットもあります」とも。

とにかく子宮筋腫はがんにならず、遺伝もしません。たとえ検診で子宮筋腫を見つかっても、あせって手術することはないことを覚えておきましょう

Suits-woman.jp2016.04.10

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