太陽光発電だけじゃない

資源エネルギー庁が公表した最新データによると、固定価格買取制度を適用した再生可能エネルギーの発電設備は2015年12月の時点で合計2623万kW(キロワット)が稼働している前月から87万kWの増加で、原子力発電所の1基分に相当する発電能力が1カ月のあいだに加わった

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再生可能エネルギーの種類別に見ると太陽光発電が住宅・非住宅を合わせて76万kWを占めたものの、風力発電とバイオマス発電も5万kWずつ増えて“太陽光偏重”の問題を緩和しつつある。一方で12月に認定を受けた発電設備の規模ではバイオマスが16万kWで最も多かった。風力は10万kW、太陽光(住宅)が9万kWで続く。太陽光(非住宅)は認定を取り消した案件が数多く発生した影響で、39万kWの大幅なマイナスになっている

新たに運転を開始した風力発電所の中では、秋田県の由利本庄市にある「ユーラス由利高原ウインドファーム」の規模が圧倒的に大きい。発電能力が3MW(メガワット=1000kW)の大型風車17基を高原地帯に設置して、最大51MWの電力を供給できる。年間の発電量は一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して3万世帯分に相当する。

12月に認定を受けた風力発電所で規模が大きいのは、宮崎県の串間市で建設準備中の「串間ウインドヒル」である。23基の大型風車を設置して、64.8MWの発電能力を発揮する計画だ岩手県の一戸町では25.3MWの「高森高原風力発電所」が認定を受けて、2017年内の運転開始を予定している

月間の買取量は全国で1000万世帯分

バイオマスでは北海道の江別市で稼働した「王子グリーンエナジー江別」の発電設備が25MWで最大だ王子グループが製紙工場に建設した発電設備で、道内の山林で発生する間伐材などの未利用木材を燃料に使う。年間の発電量は1億5000万kWh(キロワット時)に達して、一般家庭の4万世帯分を超える電力になる。

このほかにも青森県の平川市で「津軽バイオマスエナジー」(発電能力6.25MW)奈良県の大淀町で「クリーンエナジー奈良」(同6.5MW)が未利用の木質バイオマスを使って12月に運転を開始した。さらに廃棄物を利用したバイオマス発電が東京都の練馬区で始まっている建て替え工事を完了した「練馬清掃工場」で、18.7MWの発電設備が12月から運転中だ

新たに認定を受けたバイオマス発電設備を見てみると、福岡県の豊前市でPKS(パームヤシ殻)を燃料に利用するプロジェクトがある。発電能力は75MWを予定しているが、今のところ運転開始の時期は未定だ。北海道の石狩市でも同様にPKSを燃料に使う50MWのバイオマス発電設備が認定を受けている

2015年12月に日本全体で買い取った再生可能エネルギーの電力量は30億kWhに達した。一般家庭の月間使用量(300kWh)に換算すると1000万世帯分に匹敵する買取量のうち太陽光が57%風力が20%バイオマスが18%中小水力が5%を占める。前年12月と比べると1.35倍の規模に拡大した

2015年1月~12月の年間の買取量は398億kWhにのぼった。前年は260億kWhだったことから1.5倍以上に増えている。電力会社10社の2015年の発電量(他社からの受電を含む)は約8600億kWhで、そのうちの5%弱を固定価格買取制度による再生可能エネルギーが占めたことになる

スマートジャパン2016.04.18

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