大津波断層→本格調査(東北地方)

 ■海洋機構、浸水域予測で減災目指す

大きな津波が生じやすい「アウターライズ地震」を起こす断層について、海洋研究開発機構が東北地方の日本海溝沖合で本格的な調査を始めたことが12日、分かった東日本大震災の影響で大地震が誘発される恐れがあり、津波の浸水域を即時に予測して減災に生かす仕組みづくりを目指す。アウターライズ地震の防災目的の断層調査は初めて

アウターライズは海溝の外側で、沈み込む海洋プレート(岩板)が盛り上がっている場所のこと浅い部分が引っ張られ、断層が上下方向に動く地震が起きる。揺れは小さくても海底の変動が大きいため津波が巨大化しやすく、大震災の影響で発生リスクが高まっている

海洋機構が調査するのは日本海溝の東側で、岩手県沖から福島県沖にかけての南北約700キロ、東西約150キロの海域日本海溝の西側に延びる大震災の震源域に隣接する

海底下の探査や地震観測によって断層の分布を調査。それぞれの断層が動いて地震が起きたと想定し、発生する津波を計算する沿岸の地形などを基に津波の高さや到達時間、浸水域を求め、平成31年度までにデータベースを構築する

地震が起きた場合、防災科学技術研究所が設置した海底地震計や津波計の観測結果から、震源断層を即座に特定。行政側がつくる津波の即時予測システムにデータを役立てる。

気象庁の津波警報と違って沿岸の浸水範囲がすぐに分かる利点があり、住民の確実な避難につながると期待される。当面は東北の港周辺など3地域を予測対象とする計画だ

津波の即時予測は、プレート境界の断層が分かっている日本海溝や南海トラフで取り組みが進んでいるが、アウターライズでは断層のデータが乏しいことが実現の壁になっていた。

アウターライズ地震は巨大地震の後に起きやすい明治三陸沖地震後の昭和8年に起きたマグニチュード(M)8・1の昭和三陸沖地震がこのタイプで、最大約30メートルの津波で約3千人が犠牲になった。大震災後もM8級の発生が懸念されており、海洋機構の小平秀一センター長は「起きてから『分からなかった』では決して済まされない。備えが不可欠だ」と話す

産経新聞 2016.03.13
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