夜に脚がほてる、虫が這う感じがする

正体不明の脚のかゆみや痛み、不快感などが慢性的に生じ、特に夕方から夜間にかけて症状が強く出るという人は、「むずむず脚症候群」の可能性があります。冗談のようなネーミングですが、実は300年以上もの昔から知られている病気です。悪化すると慢性的に全身が痛む(慢性疼痛)になったり、うつ病を発症する原因になったりする可能性もあるため、決して侮れません

◆むずむず脚症候群とは?

むずむず脚症候群」は、「レストレスレッグス症候群」(RLS)や「下肢静止不能症候群」とも呼ばれます。脚にむずむずするような異常感覚や痛み、不快感などを感じ、脚を動かさずにはいられなくなる神経の病気です。

この異常な不快感覚には、「布団に寝ていられない」あるいは「途中で目が覚める」など睡眠障害の症状が伴いますつまり、むずむず脚症候群は、神経の病気であるとともに睡眠障害の病気でもあるのです

むずむず脚症候群は17世紀のヨーロッパの医学書にも書いてあり、古くから知られている病気です。しかし、近年でも適切な診療科を受診しないと診断を受けられず、医師側もこの病気の知識がないと見過ごしてしまう可能性があります。

◆むずむず脚症候群の特徴

むずむず脚症候群の脚の不快感には個人差があり、足がほてる、虫が這う感じがする、かゆい、痛いなど、さまざまな表現が見られますいずれも脚の表面ではなく、奥のほうで感じる症状が共通していますこのため脚を動かしたいという強い欲求に駆られるのです

これらの症状は、じっと座っている時や横になっている時に現れる・悪化する傾向があります。ただし、安静時でも仕事や趣味などに集中していると、症状が現れにくいことがわかっています脚を擦り合わせる、さする、叩く、足踏みをするなど、脚を動かすことで症状が軽くなったり消失したりします

日中にも症状が出ますが、特に夕方から夜間にかけてひどくなる傾向があります特に夜寝る際に出やすいため、不眠の要因にもなります。さらに、就寝中に脚が無意識にピクンピクンと動くこともあるので、安眠が妨げられます。これらの症状は生活の質(QOL)に影響してきます

日本のむずむず脚症候群の患者は、全人口の2~8%と言われています。女性の有病率が高く、年齢に伴い上昇します。正確な原因はまだ解明されていませんが、神経ホルモンである「ドパミン」の機能障害、鉄代謝障害、遺伝的要因の3つが主な原因ではないかと考えられています

また、ほかの病気の影響で症状が出る場合もあります(=二次性症状)。二次性のむずむず脚症候群を引き起こす代表的な病気は、「鉄欠乏性貧血」や「慢性腎不全」(特に透析中)、「パーキンソン病」などです。このほか、月経過多や妊娠による鉄分不足や、さまざまな薬剤の服用などが原因で起きることもあります

◆診断と治療

むずむず脚症候群は睡眠と深く関係していることから、睡眠障害を専門に治療している医療機関を受診する医療機関を受診するといいでしょう。睡眠障害を扱っている神経内科や精神科で治療を受けられます。

通常は問診を元に診断します。ほかの病気との鑑別診断では、血液検査を実施し、鉄欠乏の状態や腎障害の有無などを調べます。補佐検査として、「終夜睡眠ポリグラフ検査」や家庭内でできる「アクチグラフ検査」などがあり、睡眠の深さや持続時間、周期性四肢運動の有無などを確認します。アクチグラフは活動量を連続して測定できる体圧センサーを用いた計測器です。

これらの検査をとると、眠っている間に本人の意思とは無関係に脚の関節などが周期的にピクつく運動は、むずむず脚症候群の患者の80%以上に見られると言います

◆中高年女性は知っている!

2013年に日本のむずむず脚症候群の患者会が5万人の一般成人を対象にアンケート調査を行ったところ、むずむず症候群という病気があることを知っていると答えた人は、女性50% 男性25%でした

特に40~60歳代の女性で「知っている」と答えた人が多く、この病気が女性に多く、また年齢とともに症状を訴える人が増えることと一致しています。直接命にかかわる病気ではありませんが、QOLを大きく左右するため、自覚がある人は早めに受診するといいでしょう

参考 mocosuku woman 2015.07.07

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