夏の疲れの出るころ→2つの呼吸法

8月後半から9月は暑さが落ち着いてくるのとともに、夏の疲れが出やすくなる時期猛暑や不規則な休み中の生活習慣の影響から、「カラダが重い」「ダルい」「やる気が出ない」といった症状があらわれがちです。ここでは、日ごろ私が体操指導で使っている2つの対照的な「呼吸法」についてご紹介します。少しでも夏の疲れをやわらげて、秋を楽しむ準備に入りましょう。

◆自律神経を自覚的にコントロール

心臓が動いたり呼吸したり、食べ物を消化したり汗をかいたり…。人の身体は意識しなくても24時間活動をしています。これらを動かしているのが自律神経です。疲れが溜まるなどして心身が不調になっているときは、自律神経が乱れていることがよくあります。

この自律神経の働きを唯一自覚的にコントロールできるのが「呼吸」です。よく、疲れたり、緊張したりしたときに「息があがる」「呼吸が乱れる」などといいますが、これは逆にいえば、意識して呼吸をコントロールすることで、緊張や疲れを緩和できるということでもあります

◆一般的な深呼吸は「胸式呼吸

自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって成り立っています。このうち、交感神経は「緊張・興奮・覚醒」を、副交感神経は「リラックス・安静」をそれぞれ担当しています。そして、呼吸にもそれぞれの神経に作用するやり方があるのです

通常、深呼吸といった場合、胸を大きくひらいて息を吸いこむ「胸式呼吸」を指します。この深呼吸はラジオ体操にも出てきますが、実は「胸式呼吸」は交感神経に作用するため、覚醒したいときに向いている呼吸法です。そのため、緊張しているときに気持ちを落ち着かせようとしてこの呼吸法をおこなうと逆効果になります
両手と胸を開いて口から息を吸いこみ、胸をとじて口から息を吐き出す胸式呼吸の深呼吸は、「眠気を覚ましたいとき」「カラダがダルいとき」に実践すると、心身を「覚醒モード」に切り替える効果があるのです

仕事を始める前にラジオ体操を行うのはとても理にかなっているのです。

腹式呼吸は便秘対策にも

逆に、リラックスしたいときにおこなうと効果的なのが、副交感神経に作用する「腹式呼吸」です。これは、息を吸うときに横隔膜を下げる呼吸法ですが、仰向けに寝て、下腹に手をあてた状態で鼻から息を吸いこむと、カラダに息が入ってお腹がふくらむのを実感しやすいと思います。また、息を吐くときは、口から息を細く長く吐くイメージでおこなうと、リラックスしやすくなります

ちなみに、胃腸の働きをつかさどっているのも「リラックス系」の副交感神経のため、仕事のストレスなどで「緊張・覚醒」の交感神経が優位になる状態が続くと便秘などの胃腸のトラブルを招きがちになってしまいます

また、腹式呼吸は内臓をやさしくマッサージして整える効果もあるため、冷たい物の摂りすぎや暴飲暴食で弱った胃腸のメンテナンスにも効果的です

日頃、オフィスワークなどで過度の緊張にさらされている人は、ストレス解消や心身の健康維持のためにも、ゆったりと腹式呼吸をおこない、リラックスする習慣を身につけることが必要かもしれませんね
腹式呼吸は座った姿勢で数回おこなうだけでもリラックス効果があるので、仕事や家事の合間、寝る前などにぜひ実践してみてくださいね
ちなみに、家族や友人、親しい間柄の人とリラックスした状態で食事をとる、という行為は、この副交感神経が働いている状態にあります。怒りながらの食事は、消化にもよくありません。

 

参考 Mocosuku編集部 2015.09.05

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