団塊世代の受皿不足→介護難民

「介護難民」が将来、大変な問題になりそうだというニュースを聞いたよ。どういうことなの?

東京で懸念の「介護難民」、地方移住で解決を

 A 年を重ねると、生活するのに手助けが必要になってくるよね。「介護難民」とは、そうした支援を受けたくても、受けられなくて困ってしまう高齢者のことを表現してるんだ

Q どれくらいの人数になるか分かってるの?

A 民間の有識者で作る「日本創成会議」の試算では、2025年に全国で約43万人。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で、全体の3割にあたる約13万人を占めるともみられている

Q 大変だよね! なぜそんなことが起きるの?

A まず、お年寄りが増えていることがある。「団塊の世代」って聞いたことある?

Q 授業で習ったかな……。

A 終戦直後に、子どもがたくさん生まれた時期があった。その1947年から49年に生まれた人たちを「団塊の世代」と呼ぶんだ彼らの中には、地方から上京して働いたり、暮らしたりしている人が多い。2025年には、彼らが75歳以上になり、介護が必要になる可能性がある人が急増するんだよ

Q でも、人は必ず年を取るんだから、前から分かっていたことでしょ。大変になるんだったら、介護施設をどんどん建てればいいんじゃないの?

A 話はそう簡単じゃないんだ。特に、東京は土地が足りなくて、建てる場所がない。加えて、物価も人件費も高いから、建てる費用も高くなる

Q お金の問題があるのか。

A それだけじゃない。高齢者は増えるのに、働く人が全然足りないんだ。仕事が大変な割に給料が低いためだと指摘されているよ。職員が集まらず、入居者の受け入れを制限せざるを得ない施設もある高齢者の自宅でお風呂や食事の手助けをする在宅介護の現場でも、人手不足は同じように深刻なんだ

Q 年を取ったら東京には住めないってことなの?

A 介護が受けられずに困らないよう、元気なうちに、首都圏から、医療や介護に余力のある地方への移住を提案する人たちもいる

Q 例えば、どこへ?

A 日本創成会議では、大分県別府市や北海道室蘭市など、全国41地域を推薦してるよ

Q 住めば都なのかもしれないけれど、僕は、地元を離れるのはやっぱり嫌だな。

A そう思う人がいるのも当然だよ。それに、受け入れに余裕があるとされた地域でも「余裕はない」との声がある。そもそも、住み慣れた地域で暮らし続けられる環境を作ることが、まず大切だよね。近い将来の問題だけに、社会全体で真剣に向き合わなくちゃね。(読売新聞 板垣茂良)

読売新聞(ヨミドクター)2016.03.15
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