和牛価格高騰の背景→牛の小子化

和牛の価格が今、高騰していますその背景にあるのは牛の少子化で、現場を取材しました。

兵庫県北部にある、県立但馬農業高校。
実習に向かう畜産科3年の藤村泰河君たちについていくと、発表された実習の内容は、「去勢」だった。
273人の生徒が、農業について学ぶ、但馬農業高校。
甲子園球場4つ分の広い敷地では、およそ70頭の牛や150頭の豚が飼育されている。
オスの但馬牛は、月齢が5カ月になると、肉を柔らかくするために去勢をする
その処置を、藤村君たち生徒が行うという。
この学校で飼育された牛たちは、出荷され、市場に出回るが、その市場では、異変が起きている。
この季節、すき焼きなどで食卓の主役となる和牛
今、その和牛の価格が高騰している
理由の1つは、和牛の少子化で、この10年間で、取引頭数は1割減っている
そのせいか、子牛の取引価格は、2011年ごろまでは、1頭あたり平均40万円前後で推移していたが、2015年は65万円を超えた
これらの背景にあるのは、少子化などを理由とする担い手不足
子牛を生ませる繁殖農家は、2005年と比べ、およそ4割減っている
安倍首相は、6日の衆院本会議で「攻めの農林水産業への転換に必要な経費を計上しております」と述べた。
政府は、TPP(環太平洋経済連携協定)の発効を前に、攻めの農林水産業を掲げるが、担い手不足は、その足元を揺るがしかねない。
2015年、但馬農業高校で撮影された、牛の出産の様子。
もちろん、出産の手伝いも生徒が行う。
生き物と向かい合うのに、プロも学生もない。
実習の様子からは、そんな思いが見え隠れする。
しかし、このクラスで、卒業後、実際に農業に携わる人について、畜産科3年の藤村君は「このクラスでは、たぶんいないですね。(寂しい?)寂しいですね、一緒に頑張る人がいなくて」と話した。
34年前に卒業した、OBでもある加藤親義農業部長は「わたしたちが通っていたころは、大体、クラスの10人ぐらいが、畜産農家の子がいましたけれども。今はクラスの中に、3人いれば多い方ですかね」と話した。
藤村君は、農家の後継ぎではない。
小学生のころ、畜産農家を営んでいた祖父の手伝いをしたのがきっかけで、牛が好きになったという。
その祖父は、10年ほど前に畜産をやめてしまい、今では継ぐべき農場もないが、畜産の道を選んだ。
藤村君は「苦労も多いんですけど、その倍に楽しさがあると思うので。やっぱり、達成感とかもあると思うので、牛の仕事をしたいなと思いました」と話した
いずれは独立して、農場を営みたいという夢を持つ藤村君
就職先の社長は、一人前の担い手に育てると意気込む一方で、独立のハードルの高さも指摘する
「上田畜産」の上田伸也社長は「大きな投資を、まずしなければならないというところが、一番ネックになるところだと思うので。例えばハード、建物であったり、牛を導入するというところを、全てリース方式にするとか。最初は、そういう形を取っていかないと、なかなか踏み込めない」と話した
この春、高校を卒業し、決して楽ではない、畜産のプロの道に踏み出そうとする藤村君。
藤村君は「但馬牛は、ここの名産のものなので、もっと名前を広げて、いろいろな牛とかにも負けずに、『但馬牛はすごいんだぞ』というのを、みんなに思ってもらえるようにしていきたいです」と話した
こうした若者の活躍が、岐路に立つ日本の農業を支える力になるのか。

参考 Fuji News Network  2016.01.12

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