原油100億リットル分の省エネ可能に

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年3月17日、東京都内で会見を開き、NEDOの理事長を務める古川一夫氏が省エネルギー技術分野における今後の展開について説明した。

rk_160315_nedo01.jpgNEDO 理事長の古川一夫氏

2015年12月に開催された「COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)」で、2020年以降の温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」が正式に採択された

この中で日本は温室効果ガスの排出量を2030年までに2013年比26%削減するという目標値を掲げている(図1)。さらに2016年3月15日に開催した地球温暖化対策推進本部では、長期目標として2050年に現在より80%削減する目標も盛り込まれた

rk_160314_nedo02.jpg図1 2030年に向けた政府目標(クリックで拡大 出典:NEDO

 CO2を2013年比率で26%削減するというのは、具体的にどういうことか。古川氏は「2030年に2013年時点と比較して原油換算で5030(kl)キロリットルに相当する省エネをあらゆる産業部門で実現しなくてはいけないということ」と述べ、「こうした背景を受けて、NEDOの今後の技術開発ロードマップの中でも、省エネ分野は非常に重要な注力領域として捉えている」と語った

1980年に設立されたNEDOだが、現在進めている省エネルギー技術開発計画は第3期に相当するものだ。これは2012年に発表した「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で、2012〜2021年度までの10カ年計画として進められている

古川市はこの第3期計画について、「2030年の削減目標を達成するために、政府では省エネ改修費やエコカー導入促進に向けた補助金施策といった『支援』、そしてベンチマーク制度や省エネ基準への適合義務化といった『規制』を進めていく。しかしNEDOとしては、新しい技術開発という側面から省エネ目標の達成に貢献していく。第3期計画の中で進める技術開発成果によって、2030年に1000万kl相当のエネルギー削減を実現したい」と述べる

その具体的な注力領域としては、2011年に策定された「省エネルギー技術戦略」における14の重要技術がベースとなる(図2)。

rk_160315_nedo04.jpg図2 14の重要技術(クリックで拡大)出典:NEDO

さらにより具体的な注力領域として古川氏は、創エネ分野ではペロブスカイト太陽電池などの「次世代太陽光発電分野」や、今後さらなる利用が期待されれる「地熱発電分野」を挙げた蓄エネ分野では高効率な蓄電池や水素の貯蔵や輸送に関する分野を、省エネルギー分野では超電導技術や省エネな次世代製造プロセスの開発、さらにCO2を再利用する人工光合成などの技術開発も引き続き推進するこれらは政府が策定を進めている「ネルギー・環境イノベーション戦略」においても重要技術として挙げられている分野だ

スマートジャパン 2015.03.18

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