原油続落→家計に恩恵も

原油安は、日本の景気には追い風となる

ガソリン価格が夏場に比べて1割程度下がったほか、灯油や電気料金も引き下げられている

円安で冷凍食品や即席麺といった食品の値上げ表明が相次ぐ中、原油安は家計への恩恵になる。ただ原油安で物価が下振れすれば、政府・日銀が目指す「脱デフレ」には逆風となる可能性もある。

 8日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は1リットル当たり155円30銭で、1年5カ月ぶりの低水準だ。値下がりは21週連続で、7月中旬に比べ9%下がった。

調査した石油情報センターは「ガソリン価格は来週も下がるだろう」と予想する。

冬場に需要が増える灯油(店頭)も18リットル当たり1800円と、直近の高値である8月中旬に比べ7%の値下がりだ。

電気やガス料金も、原油などの価格変化を料金に反映させているため、全国の電力10社と都市ガス大手4社は12月の料金を値下げする。電気料金を標準的な家庭でみると、前月比の下げ幅が最も大きいのは中部電力の15円で、東京電力の14円が続く。東京ガスは11円値下げする。

一方、日本航空は来年2~3月の発券分で、燃料費に応じて国際線の運賃に上乗せする「燃油サーチャージ」を引き下げる。ハワイ行きの場合、片道1万3500円が8500円に値下がりする

 コンビニ袋などに使われるポリエチレンなどのプラスチックも、価格が低下傾向にある。原料のナフサ(粗製ガソリン)価格が下がっているためで、今後は包装材などの値下がりにつながる可能性もある。

円安を背景に冷凍食品やアイスクリーム、パスタ、食用油などは、主要各社が値上げを表明している。

それでも足元の円安水準ならば、こうした食品値上げのマイナス面を「原油安が帳消しにし、経済全体ではプラスに働く」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)との見方は多い。

これまで円安が輸入物価を押し上げてきたが、急激に進む原油安は物価の下押し圧力となる。日銀は脱デフレに向け「2年で2%」という消費者物価上昇率の目標を掲げる。10月末の追加の金融緩和も「原油安を見越したうえでの政策」(日銀幹部)だ。

 だが、足元の原油安の状況が続けば「消費者物価を0.2~0.3%程度押し下げる」(メリルリンチ日本証券の吉川雅幸エコノミスト)とみられ、日銀の物価上昇目標に「黄色信号」がともりかねない

参考 Sankei Biz  2014.12.13

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