原油安→鉄鋼需要減少も

鉄鋼メーカー、商社など鉄鋼業界関係者は、直近ピーク比で半値レベルになった原油安の動向を注視するとともに、鋼材需要への影響に注目している。現在のところ、米国でのリグカウントは減少しておらず、石油掘削活動への影響は表面化していない。

新日鉄住金など日本高炉メーカーは、オイルメジャーなどユーザーへの長期契約比率が高いこともあって、今年度下期のシームレス鋼管(油井管)販売への影響はほとんどないと言ってよい。販売業者による在庫も多く、サプライチェーンが長いシームレス鋼管はメーカーの生産販売活動に影響が及ぶにはタイムラグがあることから、4月以降の来15年度にどれほどの影響が出るか注目される。

原油安の直接影響を受けやすい品種は鋼管や厚板など厚板は海洋構造物向けやラインパイプ用原板などに使われる

原油安は鋼材需要にとってプラス影響もあれば、マイナス影響もある。一般的には上流(掘削)にはマイナス、下流(精製や輸送など)にはプラスとなる

原油安で開発プロジェクトの採算が悪くなることで掘削活動水準が下がってくればマイナス。一方で、原油安で石油を使う需要が増えるので精製などにはプラスとなる。過去の経験則から言えば、「まずは上流でのマイナス影響が先に出るケースが多い」(高炉営業幹部)。

マイナス面では、パイプライン案件の延期などによる大径鋼管の需要先送りがある。すでに「ラインパイプ用原板の厚板輸出に影響がみられる」(高炉輸出担当)との指摘もある。原油安の影響とは別だが、政治的要因で大型パイプライン「サウスストリーム」が中断していることなどもマイナス要因だ。

需要へのプラス面では、原油安による家計所得の実質増加による効果も見逃せない。米国では、今回の油価下落で「1家庭当たり年間3千ドルのオイル費用が半減し、年間所得が2%増えるのと同等の効果がある」と言われる。商社では「パイプの商売にはマイナスだが、原油安が国内景気を押し上げる効果に期待したい」としている。

 

参考 鉄鋼新聞 2015.01.08

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