印モディ政権→課題は中国・パキスタン

インドのモディ政権が発足して約2年モディ首相は日本や米国と経済や安全保障面で良好な関係を深化させ、実績を挙げてきた一方で、カシミール地方の領有権などで対立する中国、パキスタンなど近隣国との外交では関係改善への課題が表面化している

◆日米とは良好

モディ首相は2年前の5月26日に就任し、安倍晋三首相とは6回会談。昨年12月の安倍氏の訪印時、インドが高速鉄道建設に日本の新幹線システムを採用し、米印共同海上訓練「マラバール」に日本が恒常的に参加することを確認した

今年4月には、米印が燃料補給など軍の後方支援協力の覚書を結ぶことで原則合意今後は中国の軍事的台頭に対抗し、マラバールへのオーストラリアの参加も協議するとみられる日米との安全保障面での協力強化はインドにとり、従来の全方位外交から一歩踏み出した内容といえそうだ

一方、昨年5月の訪中では厳しい発言を封印したモディ首相だが、今年4月には、パキスタンに拠点を置くイスラム過激派指導者を国連の制裁リストに載せようとして、パキスタンと蜜月関係にある中国に阻止された。今月23日には、インドが望む原子力供給国グループ(NSG)への加盟に中国が改めて反対を表明。3月にはカシミール地方で中国人民解放軍による越境事件も起き、インドの神経を逆なでした。中国政府は越境行為を否定している

パキスタンへは昨年12月に印首相としては12年ぶりに訪問し、シャリフ文民政権と包括的対話の再開を確認、友好ムードを演出した。しかし、直後に印空軍基地がパキスタンからの越境テロに遭い、対話は空中分解した。信頼醸成が進みかけると、反対勢力に妨害される構図から抜け出せずにいるネパールとの間でも、親インド住民による国境封鎖で関係が悪化した

中東諸国に対しては、最近、イランを初訪問するなど関係強化を図っている

◆支持率は74%

インド紙ミントによれば、モディ氏の最近の国内での支持率は74%と高く、政府全体への支持率68%を上回る。経済改革のペースは遅いものの、国民は首相の外交を含めた指導力に期待しているといえそうだ

産経新聞2016.05.29

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