南シナ海、中国、埋め立て6倍に拡大

米国防総省は13日、中国の軍事力に関する年次報告書を公表した。南沙(英語名スプラトリー)諸島での埋め立て面積は過去2年間で約13平方キロと昨年の約6倍に達し、うち、ファイアリクロス(中国名・永暑)礁を含む三つの人工島には長さ約3000メートルの滑走路などがそれぞれ整備されていると指摘。「中国が恒久的な軍民共用の拠点として利用することで、南シナ海での長期的な存在感を著しく高める」と懸念を示した

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報告書では、中国が南沙諸島の七つの岩礁を埋め立てて人工島を造成していると説明。埋め立てた総面積は、昨年5月の報告書では約2平方キロだったが、今年の報告書は約13平方キロに拡大。「領有権を主張している他の国々が同時期に埋め立てを行った面積は約0.2平方キロ」と紹介し、中国の埋め立ての急激な拡大ぶりを強調した

また、中国が人工島に大型船が寄港できる港湾を造成したり、通信・偵察システムや兵たん支援の施設整備などを進めたりしてきたと説明既に四つの人工島では整備が最終段階に入り、滑走路を持つ残る三つの人工島でも、埋め立てはほぼ終わって1年以内に通信・偵察システムなどの施設が建設されるとの見通しを示したこれらにより「係争国や第三国の活動を探知し、対処する能力などが高まる」と警戒感を表した

また、中国は沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海で領有権の主張を強め「より高いレベルの緊張を抱えることをいとわない姿勢」ではあるが、「依然として米国との直接的かつ明確な衝突は避けようとしている」と指摘短期的には、軍艦ではなく法執行機関の船を使うなどして、武力紛争に至らない「威圧戦術」で領有権の主張を強めるとの見方を示した

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 一方、中国軍の海賊対処や人道支援・災害救援活動など世界規模での活動拡大にも触れ、昨年11月、紅海の出入り口に近い戦略的要衝であるアフリカ東部ジブチに、初めての国外軍事補給拠点を開設すると発表したことにも言及した

毎日新聞2016.05.14

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