医療費クレジットカードで支払うメリット

最近、治療費をクレジットカードで決済できる医療機関が増えていますベッド数の多い病院や大学病院などはもちろん、都市部などでは小規模なクリニックでもカード決済に対応しているところが増えています。また、中には「自由診療に限りクレジットカードでお支払いいただけます」とするクリニックもあります。

◆高額療養費制度のおさらい

クレジットカード決済の話の前に、まずは「高額医療費制度」についておさらいしましょう。いわゆる社保や健保など、公的な健康保険の被保険者は、治療費の自己負担が高額になってしまった場合に高額療養費という制度を利用できます

例えば、月給が30万円のAさんの場合は「8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%」という計算式になります。Aさんが病院で手術を受け、会計時に30万円を払ったとします。高額療養費の計算式に当てはめると、Aさんの自己負担は8万430円となり、支給申請をすれば後日21万9579円がキャッシュバックされます。一時的に30万円の現金を支払う必要があるため、病院の窓口での精算にクレジットカードを使うのはよくあるパターンと言えます。

なお、高額療養費制度には「限度額適用認定証」という仕組みも用意されています。これは、事前に手続きをしておくことによって、病院での会計時に支払う金額が「高額療養費による自己負担」の金額となるもの。キャッシュバック方式と違って、窓口での高額な支払が不要なのがメリットです。とはいえ、8万430円というのも決して少額ではないので、やはりカードで支払いたいという人もいるでしょう。

◆病院でカードを賢く使う方法

キャッシュバック方式の高額療養費制度も限度額適用認定証も、「手続きのタイミング」が異なるだけで、お財布から出ていく金額は同じです。しかし、これが、クレジットカードで支払うとなると話は変わってきます。

治療費をカードで払う場合は限度額適用認定証ではなく、キャッシュバックを選んだほうがいいでしょうなぜかというと、そのほうが病院の窓口で支払う金額が大きいからです

クレジットカードは、決済金額が大きいほどたくさんポイントが付きますポイントの付与率が仮に1%だとすると、前述のAさんの場合、限度額適用認定証を利用した場合は8万430円×1%=804ポイントです。これに対し、いったん全額を払うキャッシュバック方式の場合は30万円×1%=3000ポイントです。そして、年間のカード利用額への反映も違ってきますよね

ただし、当然ながらカードで分割払いやリボ払いを選んだ場合は、金額が大きい方が支払う利子も大きくなります。従って、上記のメリットはあくまで一括払いが前提です。

会社勤務の人は、間もなく年末調整の時期です。1年間の収入や控除を精算し、所得税の計算をします。年末調整を行った結果、翌年に源泉徴収票を受け取ります。その控除の計算ですが、医療費控除は年末調整の対象になっていないので、翌年に受け取る源泉徴収票とともに、確定申告で精算する必要があります。

医療費控除は、年間の「医療費の自己負担の合計」から「保険などで補てんされた金額」を差し引き、差し引いた額が「10万円」を超えていれば、超えた分が控除される制度です

「医療費の合計」には入院や通院時の交通費も含まれます。また「医療費の合計」は世帯で合算できます。従って、夫婦共稼ぎの場合は、どちらか所得の高い方に寄せたほうが有利です

「保険などで補てんされた金額」には高額療養費によるキャッシュバックのほか、民間の医療保険・がん保険などによる給付が含まれますが、傷病手当金や出産手当金は対象外です。

◆医療費控除とポイント

医療費をクレジットカードで払った場合、ポイントが付与されますね。カード会社から付与されるポイントは、所得税や住民税は非課税です。また、「保険などで補てんされた金額」にも含まれません。ですから、付与されたポイントは確定申告の対象にはなりません。

医療費の自己負担の支払い、という最もネガティブな支出の時に、クレジットカードのポイントが付与されれば、少しは「得した」とポジティブな気持ちが生まれるかもしれません。最近では、病院や薬局でもクレジットカードの利用が増えています。みなさんも存分に活用しましょう。

参考 Mocosuku編集部 2015.10.11

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