北京原人の故郷→巨大屋根

約70万年前に生存していたとされる北京原人などの化石が発見された世界遺産指定の北京・周口店遺跡の発掘現場を保護するために、その周辺一帯に屋根や側壁などが整備されることになった1900年代初頭からこれまでの発掘で現場の足場や土壌がもろくなっていることから、雨や雪、強風などで現場そのものが侵食され崩落している所も一部あり、「早急な対策が必要」とのことで世界遺産事務局とも意見が一致した

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保護されることが決まった発掘現場からは、40体の北京原人の身体の各部分である200件の化石のほか、10万件以上の石器、さらに原人が狩りをして食料にしたとみられる動物の化石も100件以上発見されている

ここは、北京原人が生きていたころは、巨大な洞穴だった所で、数十万年という長い時間をかけて、洞穴の上部が崩れて、両側が崖のようにそそり立っている

筆者は今年7月、この欄で周口店遺跡を訪問した際の状況を報告させてもらったが、実際に現場に行ってみると、数十カ所にわたる大小の発掘現場は野ざらしの状態で、すでに崩落して土砂に埋まってしまい、雑草が生い茂り、どこが遺跡か分からない所もあった

原人の化石が発見されたメインの発掘現場も2012年7月には周口店一帯を襲った豪雨で、一部が崩落してしまっている

このため、遺跡を保護・管理している北京市文物局は、今も発掘を続けている中国科学院と協力して、発掘現場の保護作業を進めることになった

とはいえ世界遺跡に指定されているため、世界遺産事務局に許可を得て、発見された自然な状況を損なわないように、屋根や保護壁の建設など人間が手を加えるのは最小限の広さにとどめるという。

具体的には南北で最大77.5メートル、東西では54.5メートルと、いびつな菱形状の部分に保護壁や屋根を設置する屋根の最大高度35.7メートルとなる

すでに工事は始まっており、工期は1年半で来年末には完成する予定だ。

以前のコラムでも書いたが周口店遺跡は世界遺産に指定されているものの、その評判は芳しくない。それは遺跡の範囲が広く、山道を動き回らなければならず、さらに見学のポイントが絞りきれないためだ

しかし、今回の工事が完成すれば、屋内のような空間で、ほぼ自然のままの発掘現場を見ることできるだけに、説明標示板などが充実すれば、多くの観光客でにぎわうことが期待されている

参考 Record China  2015.09.06

 

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