劣化症状が現れたオッサンとの仕事術

 こんにちは。はたらく女性のかていきょうし、タブタカヒロです。

「はたらく女性のかていきょうし」のコンサルティングをしていて、女性からこんなご相談を受けることがあります。

年上男性(おじさん)が多い職場で働いていますおじさんとの会話は得意なほうなので、おじさんワールドの中で問題なく仕事はできているのですが、時々、自分もおじさん化しているのではないかと不安になります

おじさんワールドの中で仕事をするのが得意な女性もいれば、苦手な女性もいます。ちなみにボクは苦手なほうです。どちらのタイプにも言えるのは、おじさんワールドに同化するのは、あまりおススメできないということです

日本の「おじさん」会社員を40代以上の男性とします彼らは世代人口が多く、しかも男性比率が圧倒的に多いビジネス社会の多数派なので、自分もオトコ化するかオンナを使うかして切り込んでいく必要があるのではないかと考えるかもしれません

しかし、今後のビジネス社会の主流を担っていくのもおじさんであるかかというと、決してそうではない性別・世代・国籍で多様な人材が混じり合って仕事の仕方を変えていかないと、これからのビジネスはやっていけないのは明らかです

だから、当然オトコ化する必要もないし、無論、オンナを使う必要もいっさいないおじさんと接するときは、彼らの特徴を理解してコミュニケーションを取れば大丈夫です。今回は年上男性(おじさん)との仕事の仕方について考えていきたいと思います。

■ おじさんには2つのタイプがある

そもそも、おじさんには2種類います。リスペクトできる年上の男性「オジ様」と、あまりリスペクトできない年上の男性―「オッサン」です。

おじさんという言葉でひとくくりに考えられません。この2タイプは、定義が異なります。まず、リスペクトできるオジ様の定義とは、

上手に年をとった男

オジ様とは上手にコミュニケーションを取ることで、お互いいい仕事ができると思います男は自分の能力・成果・所有物を誇りたいし、ほめられるとうれしい生き物。オジ様は能力や成果が優れている分、経験談がときどき自慢気だったり長かったりしますが、少し我慢して話を聞いてあげて、褒めてあげて、頼りにしてあげるのが効果的です。

一方、あまりリスペクトできない「オッサン」。一般的に「おじさん」という言葉を使うときは、彼らを指すことが多いと思います。オッさんの定義とは、

年を取った男ではなく、劣化した男。それがオッサンですオッサンに対してよくない印象を持つ人も多いと思いますが、彼らは性根が悪い人なのではありません。年を取ると性根が悪くなるのでもありませんあくまで劣化。劣化の症状が現れているのです男性は年齢に関係なく、「オッサン化」することもありえます。オッサンには次の3つの劣化症状が現れます。

(1)うざい
オッサンを「うざい」と感じたことはないでしょうか。これは性格がうざいのではなく、体型や体の機能、スキルなどパフォーマンス面の劣化による症状です。具体的に2つの症状があらわれます。
・かさばる:太ったり、姿勢がだらしなくなったり、態度が大きくなる。その結果、物理的にも存在感的にも場所をとって扱いづらくなる。
・もたつく:自分の知識やスキルを磨くことを止めてしまうため、自然とパフォーマンスが低下。もたもたして周りをイラっとさせる。
かさばって、もたつかれるとイラっとしますが、本人は意識してない場合もあります。直接指摘すると相手のプライドを傷つけてしまいます。プライドは持ち上げる表現で接しましょう
(2)セコい
オッサンにセコさを感じるとき、彼らは人としてセコいのではありません。行動の基準やルールが劣化して、何としてでも既得権益を守り、権利を奪い取ろうとするという2つの症状が現れているのです。
・居座る:ほかに譲ったほうがいいのに、今の居場所や地位から離れない。権限を手放そうとしない。「前向きに検討」で先送りする。
・割り込む:横入りやねじ込みなど、フェアじゃない方法で有利な場所に入り込もうとする
これは性格が悪いのではありません。行動や選択の基準やルールが劣化した結果です。オッサンは居座るし、割り込みがちだという行動パターンを前提に、接すると対処もしやすくなります。
(3)キモい
言葉には出せませんが、オッサンをそう感じることがあると思います。清潔さ、しぐさ、話す内容など五感で感じられるものが不快にする。もちろん、人としてキモいのではありません。これは立ち居振る舞いやマナーの劣化です。デリケートな部分なので指摘しづらく対応が難しいですが、リスペクトできるオジ様からさりげなく指摘してもらうなど、男性同士に動いてもらったほうがいいかもしれません

オッサンの仕事のスタイルについても理解をしておいたほうがいいと思います。オッサンの仕事スタイルと、これからのビジネスに必要な仕事スタイルには大きな違いがあるからです。

■ オッサンの仕事スタイルは「高校球児」

その違いとは、これです。

a:高校球児
b:なでしこ

オッサンの仕事スタイルは、センチメンタルな高校球児型。これからの仕事スタイルは、プロフェッショナルなサッカー女子代表なでしこ型に分類できます。仕事スタイルを「時間」と「自分」の二軸のマトリクスに整理するとわかりやすいと思います。

まず、高校球児型といえるオッサンの仕事スタイルとは、

・時間:延長18回、再試合、大歓迎。勝利のためならどれだけ時間をかけてもいい。むしろ時間がかかると感動する
・自分:目の前の試合にすべてを捧げて全力投球。燃え尽きてもいい。むしろ燃え尽きると感動する

夏の高校野球を観戦して、センチメンタルに耽りがちなオッサンは、仕事スタイルも同様です。どれだけ残業してでもやり遂げる。多くの時間を捧げて全力投球するのがエラい。頑張ったら報われると考えるのが彼らの仕事スタイルです

経済成長期の大量生産ビジネスに適した仕事のスタイルですが、価値が多様化した現代のビジネス環境には合わなくなってきていますこのスタイルに固執すると、頑張ったら報われるという意識がねじ曲がってしまいます。仕事の中身はともかく長く働いた分だけ報われる「努力の原価積み上げ方式」に陥ってしまうのです必ずしも生産性が高いとはいえない仕事スタイルです

 これからのビジネスでは、働いた時間の長さより、生産性と価値と持続可能性が問われます。それが、なでしこ型仕事スタイルです

・時間:時間内に勝たないと、勝ち点3が取れない。延長は疲労し、次の試合に影響するのでなるべく避ける
・自分:目の前の代表戦1試合で燃え尽きてはいけない。自分のチームに戻って成長しないと、次の代表に呼ばれない

■ 男社会のシステムとは、同化も戦う必要もなし!

これからの仕事スタイルは、少ない時間と労力で高い価値を出し続ける。コスパの高い働き方を目指しますそして仕事以外の時間で自分のスキルを磨いて視野を広げることで、よりやりがいのある仕事に近づくことができる。まるで、なでしこジャパンのメンバーのようです。これがこれからのプロフェッショナルな仕事スタイルです

多くのおじさんも気づいているはずですが、日本の「男社会」はすでに時代に合わなくなってきていて、劣化が進んでいますこれまでのやり方に固執することなく変化が求められています。優秀な経営者たちは、すでにそれに気づいています。

劣化した男社会のシステムに同化する必要はないし、戦う必要もない。そして、オッサンは劣化しただけであって悪い人たちでもない。そこを意識してコミュニケーションを取れば、彼らと上手にお仕事ができるのだと思います。

男性が支配的だった時代に、独りで戦ったある女性の言葉をご紹介します。今はここに新しい意味が吹き込まれ、さらにキラキラしている気がします。

オトコ社会なんて気にしない。ただし女でいられるならね――マリリン・モンロー」

参考 東洋経済オンライン 2015.06.22

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