免疫力はほどほどが大事

 医師で作家の鎌田實さん(67)が、日常生活のちょっとした工夫で健康になり、10歳若返るヒントを教えてくれます

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免疫力を上げれば、がんにもなりにくくなり、風邪もひきにくくなる

そもそも免疫とは何か。免疫は、「自己」と「非自己」つまり、自分と自分以外のものを識別して、自分以外のものを外敵として排除する働きのことだ

自己と非自己を識別するなんて、とても哲学的だ。僕たちの体は60兆個の細胞でできているが、そのうちの2兆個が免疫細胞といわれている

毎日5000個の細胞が傷つき、がん化しかかるといわれているが、免疫細胞が攻撃することで、がんになるのを防いでくれている。だから免疫はとても大事

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免疫力は高すぎると、別の問題が生じるアレルギー反応が起こりやすくなる。自分の細胞を「非自己」とみなして攻撃してしまう。これは自己免疫疾患という。リウマチなどの膠原(こうげん)病がその典型だ

サラリーマンが、ストレスで円形脱毛症になることがあるが、これも免疫の異常で起こるともいわれている

ほどほどの免疫を保てないのは清潔すぎる環境が問題だ無菌状態の環境で育ったマウスは免疫の働きが悪く、短命だといわれている

 子どもも、外で泥だらけになって遊ぶことが、健全な免疫を獲得するうえで大事な体験になるが、都会ではそれも難しくなっている

子どものときにしっかりした免疫力をもつと、高齢者になるまで、バランスの良いほどほどの免疫力が確保されるといわれる。抗菌グッズに頼り過ぎにも要注意

◆鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭23)6月28日、東京生まれ。東京医科歯科大医学部卒業後、長野県茅野市にある諏訪中央病院の医師になる(現在は名誉院長)。チェルノブイリ原発事故の患者支援、イラク難民支援を続け、東日本大震災後の被災地支援にも力を入れている。著書「がんばらない」など多数。

日刊スポーツ2016.05.21

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