今年はミドルサイズのバンコンが熱い!

【キャンピングカーで行こう!】

 先日のジャパンキャンピングカーショー2016のリポート記事でも取り上げましたが、最近特に目立ってきたな、と感じられるのが、コンパクトさを売りにしたミドルサイズのバンコンです

【写真特集】ジャパンキャンピングカーショー2016

都市部の駐車場事情や経済的な面を考えると、普段使いの車とキャンピングカーの2台を所有するのは、なかなかハードルが高いものです。そのため、普段使いと兼用しやすい軽自動車ベースのキャブコンやバンコンは以前から人気があったのですが、
・軽自動車ベースではスペースが足りない
走行性能に不満がある
という声もありました。もちろん、使い方は人それぞれなので、軽ベースが悪いわけでは、決してありません。家族の人数、走行距離、車を使う頻度によって、軽で十分な人もいれば、不十分だという家庭もあるでしょう

そんな中、軽ベースと大差ない価格で、十分な広さと走行性能を備えた車、として注目されはじめているのがミドルサイズのバンコンだというわけです

■ショー会場でもミドルサイズの出展が増えた

今回のショー会場で出会った方のコメントが印象的でした。

「軽キャンピングカーが欲しいと思って見に来たんですが、実車を見比べるうちに、ミドルサイズのバンコンのほうが自分には合ってるような気がしてきました」。

聞けばこの方、会社はすでに定年退職。子供たちも独立し、奥様とふたり、温泉巡りなどしたい、と考えているそうです。

「今乗っている乗用車を手放して、共用できるキャンピングカーを買うか。小さめなキャンピングカーを買い足すか……って考えてるんですけどね」。維持費などもろもろを考えて、まずは軽キャンパーを見てみよう、と思ってやっては来たけれど、今回豊富に出展されていたミドルサイズバンコンを見て、考えが変わってきたようです

実際、展示車両の中でもミドルサイズのバンコンは増えていました。

これまで、軽キャンピングカーを主力にしていたステージ21(神奈川県)も、今回のショーでは軽自動車ベースの展示は一台もなし! タイプの異なるミドルサイズバンコンばかりを3台並べていました。

「トヨタ タウンエース」をベースにしたシュピーレンシリーズを手掛けるフロットモビール(長野県)の高森社長は、「軽自動車以上、ハイエース未満ぐらいの車体は女性でも安心して運転できるサイズとして人気です。タウンエースには4WDがあるので、雪国長野で車づくりをしている私たちとしては、その点もこだわりのポイントなんですよ」といいます

■ベース車両の特徴から考える

こうしたミドルサイズバンコンのベースとなる車両は、「日産 NV200」や「トヨタ タウンエース」などの小型商用バン、あるいは「日産 セレナ」や「トヨタ ノア」などの乗用ミニバンで、こうした車はもともと、都市部での取り回しの良さや経済性の高さを意識して作られています。一般的なバンコンのベースとして人気の「トヨタ ハイエース」と比較すると、その寸法の差は歴然としています。

比較表をつけましたので見てみてください。乗用車の「トヨタ プリウス」と比較しても、コンパクトであることがわかりますよね。

では、エンジンはどうでしょうか。

 こうした小型バンやミニバンのエンジンはいずれも1500ccから2000ccと、小排気量で経済的です乗用ミニバンにはハイブリッド車やダウンサイジングターボなど、最先端の省エネ技術が取り入れられているものがあるのも魅力といえるでしょう

一方、コンパクトなサイズは、キャンピングカーとしては不利な側面もあります。確かに軽キャンピングカーと比較すれば広いのですが、ハイエースクラスと比較すれば少々手狭であることは否めません。

そこで、各ビルダーとしてはさまざまな工夫を凝らしています。

車体ボディーはそのままで、ふたり旅仕様に仕上げた車などがそれです。キッチン設備などを一通り備えたタイプもあれば、キッチンなどを省略した「車中泊車」と割り切ったタイプもあります。

ポップアップルーフや、FRPで天井高をかさ上げするなどして、ファミリーユースにも十分なスペースを稼ぐタイプもあります。考え方は各社さまざまで、その多彩な商品展開は、見比べてみるだけでも楽しいものです。

普段使いの車として無理なく5~7人が乗れて、荷物も積める。遊びに行くときには快適に寝泊まりもできる。そんなミドルサイズのバンコンは、今後ますます人気が上昇しそうです

(渡部竜生・キャンピングカージャーナリスト/朝日新聞デジタル「&M」)

朝日新聞デジタル2016.03.12
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