人工の葉っぱとバクテリア太陽光から燃料

ハーバード大学の研究チームは人工葉とバクテリアを組み合わせて、太陽光からアルコール燃料を生成することに成功した

太陽光と二酸化炭素、水から炭水化物を生み出す—–-。葉緑素を持つ植物が行っている光合成を人工的に再現する「人工光合成」はエネルギー問題の解決策になるとして大いに注目を集めている

ハーバード大学のDaniel Nocera教授が発表して話題を呼んでいるのは、人工葉とバクテリアを組み合わせた方法だ

人工葉には特殊な光触媒が使われており太陽光を当てることで水を水素と酸素に分解するラルストニア・ユートロファというバクテリアが水素と二酸化炭素と結合させ、アルコール燃料を合成するという仕組みだ

この研究を実用化するのは難しいと言われていたが、Nocera教授はラルストニア・ユートロファの遺伝子を操作することで、変換効率6.4%でアルコール燃料を生成することに成功した

バクテリアで満たされた1リットルの反応装置は空気中の二酸化炭素を1日あたり500リットルを吸収。1キロワット時のエネルギーを生成すると、空気中から237リットルの二酸化炭素を除去できるという(ただし、生成されたアルコール燃料を燃焼させると、二酸化炭素が空気中に放出されるので、温暖化問題の解決になるわけではないとのこと)。

 既存の発電システムに比べてエネルギー効率が高いわけではないが、ポイントはアルコールという形でエネルギーを貯蔵できることだろう人工葉は太陽光さえあれば、汚水や尿などからも水素を取り出すことができる。Nocera教授は、発送電インフラの整っていないインドで、この人工光合成システムを展開したいと考えている

山路達也

ニューズウィーク日本版2016.06.04

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