九州の地銀再編は→新たな段階に突入

「九州の地銀のバランスが、また変わることになった。きっとさらなる動きが出てくる」(九州の地方銀行幹部)

【図】 九州地銀が進める再編・統合の構図

 2月26日、地銀大手のふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と長崎県首位の十八銀行が、2017年4月をメドに経営統合すると、発表した。注目すべきは、FFG傘下の親和銀行(長崎県2位)と十八銀が2018年4月メドで合併し、両行計150ほどの長崎県店舗のうち「50店舗ぐらいを統廃合する方向で協議検討する」(十八銀)点だ。ライバル行同士が消耗戦回避へ店舗統廃合に踏み込む

■ 福岡基盤の西日本シティも持ち株設立へ

近年、地銀の経営統合が相次いでいるが、店舗の統廃合を明らかにしたケースはほとんどない。各県の代表である地銀がリストラをすれば県経済への打撃が大きいからだ今回の両行も人員削減はしないとしている。が、3分の1の店舗が減れば、必要な総人員も減るはず。地銀再編は新たなステージに入った

FFGと十八銀が統合に向けて話を始めたのは2014年下期。同年11月、熊本県首位の肥後銀行と鹿児島県首位の鹿児島銀行が経営統合で基本合意しており、刺激となったのだろう。FFG傘下には熊本県2位の熊本銀行がある

九州の地銀は現在、3グループに集約されつつある最大手がFFG(福岡銀、親和銀、熊本銀)。2番手争いを演じているのが、西日本シティ銀行のグループ(子会社に長崎銀行、大分県2位の豊和銀行も支援)と、九州フィナンシャルグループ(肥後銀、鹿児島銀)だ。総資産規模は抜きつ抜かれつの状況にある。

 今回の十八銀参加でFFGは一段と立場を強くする。が、同じ福岡を地元とする西日本シティ銀も、手をこまぬいているわけではない。2015年10月、持ち株会社を設立する方針を公表。証券子会社などを合わせた総合金融グループ力を強化するとした。周辺地銀は「他行と統合しやすくするための基盤づくり」とみる。

ただ、周辺地銀の声を集めると、西日本シティ銀へ合流する地銀が現れる可能性はいま一つ見えてこない。むしろFFGや九州FGのさらなる勢力拡大のほうが現実的だ

■ 佐賀はFFG、宮崎は九州FGか

十八銀はこれまで佐賀銀行・筑邦銀行と同じ勘定系システムを利用しプログラム開発を共同化してきた。3行中最大規模の十八銀がFFG入りしたことで、福岡県と長崎県に挟まれた佐賀県首位の佐賀銀は、FFG入りが経営の重要検討事項となるだろう。

また福岡中央銀行は歴代頭取が福岡銀の出身。顧客層が福岡銀とは違うため、合併はないとしても、管理部門のコスト削減などで、FFG入りするメリットは大きい。折しも金融持ち株会社の規制緩和の議論が進んでおり、傘下銀行の業務を持ち株会社が集約して行えるようになる。

九州FGの鹿児島銀は、隣県の宮崎銀行と激しいバトルを繰り広げ、相手の地元で融資を大きく伸ばしている。しかし、「(宮崎銀の)頭取が交代したら仲良くやろうという話ができている」と、鹿児島銀行首脳はかつて語っていた。宮崎銀は2015年6月に頭取が交代しており、今後、九州FG入りを模索する動きが出るかもしれない

(「週刊東洋経済」2016年3月12日号「核心リポート06」を転載)  福田 淳

東洋経済オンライン201603.13
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