中高年男性に多い前立腺肥大症

排尿を試みてもなかなか出ない、時間がかかる、頻繁にトイレに行く必要あるといった排尿障害。原因には、膀胱の筋力の低下、腹圧の低下、薬の副作用、膀胱結石・尿路結石・尿道結石などがありますが、なかでも前立腺肥大症は中高年男性に多く見られ、排尿障害の原因になりやすい疾患です。ここでは前立腺肥大症のセルフチェック法を紹介します。

前立腺肥大症とは

精液の一部を作る前立腺は男性だけが持つ臓器で、栗の実ほどの大きさをしています50代を過ぎると次第に大きくなり、70代になるとほとんどの人に前立腺の肥大が認められるといいます男性ホルモンと加齢の影響が大きいと考えられます前立腺が大きくなる前立腺肥大症は頻尿をはじめとする排尿障害の原因になります。前立腺は膀胱の下に位置しており、肥大すると膀胱や尿道を圧迫してしまうからです。ただし、前立腺が肥大していても症状が出ない人もいます。治療が必要かどうかは、症状があるかどうか、それによって日常生活に不都合があるかどうかで判断します

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◆前立腺肥大症のチェック方法

前立腺肥大症には、米国泌尿器科学会が提唱するアンケート形式の検査があります。自分でもできるのでセルフチェックに役立ててみましょう。

検査方法は簡単です。この1か月間を振り返り、1)から6)の質問事項に答えながら点数を足していきます。点数は頻度によって異なり、次のようになっています。いつも:5点、2回に1回以上:4点、2回に1回程度:3点、2回に1回未満:2点、5回に1回未満:1点、全くない:0点。1)から6)を計算した後、7)の点数を加えて合計点数を出してください。

【質問事項】
1)尿をした後にまだ尿が残っている感じがあった
2)尿をしてから2時間以内にもう一度しなくてはならなかった
3)尿をしている間に尿が何度もとぎれた
4)尿を我慢するのが難しいことがあった
5)尿の勢いが弱いことがあった
6)尿をし始めるためにお腹に力を入れる必要があった
7)夜寝てから朝起きるまでに、普段何回尿をするために起きますか
(1回:1点、2回:2点、3回:3点、4回:4点、5回以上:5点)

【判定基準】
0~8…軽症
9~20…中等症
20以上…重症

いかがだったでしょうか? 特に合計点数が20以上の場合は重症の可能性があるので医療機関を受診することをお勧めします。

◆前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症の治療は、初期の症状が軽い状態であれば薬物療法を行います。症状が重い場合や、血尿、細菌感染、腎機能障害といった合併症の危険があるときは手術を選択します。

手術は、以前であれば腹部を切開する開腹手術が主流でしたが、現在では負担を抑えたさまざまな治療法があります。例えば、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)という方法は、内視鏡と電気メスを用い、最小限の切開で肥大した前立腺をくり抜き、膀胱や尿道の圧迫を取り除くことができます

また、メスを用いず、レーザーを用いた最新治療も登場していますHoLEPと呼ばれる治療は、レーザーで前立腺をくり抜くことができますPVPと呼ばれる治療は、レーザーで前立腺の一部を蒸散させることができます。レーザー治療は出血量を抑えることができ、体への負担が少ないとあって、「日帰り手術」で対応する医療機関もあります。

前立腺肥大症は生命にかかわる病気ではありません。しかし、日常生活で不都合を感じている場合は、治療によってQOL(生活の質)の向上を図ることができます。治療方法は医療機関によって異なり、とりわけレーザー治療を採用している医療機関は限られています。前立腺肥大症の治療を検討している人は、それぞれの医療機関がどのような治療法を採用しているのか事前に調べておくとよいでしょう。

参考 Mocosuku編集部 2015.09.123

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