中高年は要注意の病気のシグナル

便の状態を見れば、その人の健康状態がある程度わかると言いますね。疾患の種類によっては、便に血が混じることがあります血液が肛門から排出されることや、血液が混じった便が出ることを「下血」(げけつ)といいます便の色が鮮血に近い赤いものを「血便」、黒色がかっていれば「タール便」と呼びます。一般に、下血というと腸の異常を考えますが、実際には口腔から肛門まですべての消化器管からの出血が含まれます。ここでは、血便やタール便が見られた時のリスクを説明します。

◆さまざまな便の状態

肛門から距離の近い部位、結腸から肛門からの出血では、血液がそのまま排出されるので、鮮紅色の血便となります。一方、肛門から遠い胃や小腸などから出血した場合は、血液が腸内細菌の分解を受けるためタールのような黒色に変化します。下記は、血便やタール便が出た時に疑われる疾患です。

痔核・裂肛】
便秘傾向にある人の血便は、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)が原因の可能性があります。鮮紅色の血便のほか、排便時に肛門の痛みや肛門の違和感があります。排便後に出血したり、繰り返し出血したりすることもあります。

大腸ポリープ・早期大腸がん
無症状で少量の血便の場合が多く見られます便通は特に変化はなく、繰り返し出血しますが、少量のため気がつかず、健診での検便による潜血反応で指摘され、見つかることも少なくありません

進行性大腸がん・直腸がん
血便は粘液と一緒に付着している場合が多く、便秘と下痢を繰り返す、排便後もお腹がすっきりしないなど、排便習慣の変化が起きます。腹痛はあることもないこともあります。

【潰瘍性大腸炎
若い人に多い病気ですが、大腸に潰瘍が多発して、慢性の粘液のと血が混ざった下痢が続きます便の見た目がイチゴジャムのようになることもあります。腹痛はあまり起こりません。

【虚血性大腸炎】
急に血便が出て、腹痛が起こります。動脈が詰まって起こる病気です。高齢者では動脈硬化や糖尿病を患っている人に多く見られます。

出血性大腸炎
ある種の大腸菌が大腸に感染して、出血性の下痢と重篤な合併症を起こす胃腸炎です特に小児と高齢者によく起こります。腹部が強くけいれんするような痛みと水のような下痢が始まり、24時間以内に便に血液が混ざってきます。下痢は通常1~8日続きます。普通発熱はないか、あっても軽度です。

血便・タール便が見られた時の検査

タール便の場合は、食道・胃・十二指腸からの出血が考えられるので、胃内視鏡検査をします。血便の場合は、肛門に近い場所からの出血が疑われるため、問診のあと直腸診を行います。これは肛門から指を入れて診察するもので、痔なのか直腸に何かあるのかなどを診断します。大腸の検査のためには、大腸内視鏡検査が行われます。その後、必要に応じて、胃内視鏡検査、腹部超音波検査、CT検査などを行う場合もあります。

便の観察:早期発見のために

現在、がんの種類と死亡率の関係を見た場合、大腸がんは女性のトップに上がっています。また、男性も女性も大腸がんは増加傾向にあります大腸がんは早期の検査で見つければ十分に治癒可能ながんです。健診での検便検査は毎年行いましょう。また、私たちは毎日便を出していますが、すぐに流してしまわずに、自分の出した便をしばらく観察して、いつもと変わらないかどうか確認してください。痔を患っている人は、血が混じっていても痔からの出血と決めつけてしまいがちですが、上で述べたように痔以外のリスクも考えられます。病院で検査を受けましょう。

参考 Mocosuku Woman 2015.06.17

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