中東呼吸器症候群(MERS)とは

問1 中東呼吸器症候群(MERS(マーズ))とは何ですか?

  • 答  中東呼吸器症候群(MERS)は、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です
    原因となるウイルスはMERSコロナウイルスと呼ばれています
    2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS(サーズ))の原因となった病原体もコロナウイルスの仲間ですが、SARSとMERSは異なる病気です

問2 MERSはどこで発生していますか?

  • 答  主として中東地域*で患者が報告されています
    このほか、ヨーロッパ(イタリア、英国、オーストリア、オランダ、ギリシャ、ドイツ、フランス、トルコ)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア)、アジア(フィリピン、マレーシア、韓国)及び北米大陸(アメリカ合衆国)からも患者の報告がありますが、これらはすべて、中東地域で感染した人(輸入症例)もしくはその輸入症例患者と接触した人であることがわかっています
  •  *アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン(2015年1月21日現在)
  •  なお、症例(患者)に関する最新の情報はWHO Disease Outbreak Newsのサイト(英語)(http://www.who.int/csr/don/en/)でみることができます。

問3 MERSにかかると、どのような症状が出ますか?

  • 答  主な症状は、発熱、せき、息切れなどです下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります

問4 MERSに対する予防方法はありますか? どのように治療するのですか?

  • 答  現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はありません患者の症状に応じた治療(対症療法)になります

問5 どのようにしてMERSに感染するのですか?

  • 答 人がどのようにしてMERSに感染するかは、まだ正確には分かっていません。患者から分離されたMERSコロナウイルスと同じウイルスが、中東のヒトコブラクダから分離されていることなどから、ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであるとされています。その一方で、患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれています。家族間や、医療機関における患者間、患者-医療従事者間など、濃厚接触者間での感染も報告されています。

問6 MERSはヒトからヒトへ感染しますか?

  • 答  海外の感染予防対策の実施が不十分な医療機関等においては、患者から医療従事者や他の患者に感染(二次感染)した例が報告されています。ただし、季節性インフルエンザのように、次々にヒトからヒトに感染すること(持続的なヒト-ヒト感染)はありません

問7 中東地域を旅行する場合に注意することはなんでしょうか?

  • 答  中東地域を旅行する場合は以下のことに注意して下さい。

旅行前

  • 糖尿病や慢性肺疾患、免疫不全などの持病(基礎疾患)がある方は、MERSに限らず、一般的に感染症にかかりやすいので、旅行の前にかかりつけの医師に相談し、渡航の是非について検討してください
  • 渡航前に現地の最新の情報を検疫所ホームページ、外務省 海外安全ホームページ、在サウジアラビア日本国大使館ホームページなどで確認してください。

旅行中

  • 現地では、こまめに手を洗う、加熱が不十分な食品(未殺菌の乳や生肉など)や不衛生な状況で調理された料理をさけ、果物、野菜は食べる前によく洗う、といった一般的な衛生対策を心がけてください
  • 咳やくしゃみの症状がある人や、動物(ラクダを含む)との接触は可能な限り避けましょう
  • 咳、発熱などの症状がある場合は、他者との接触を最小限にするとともに、咳エチケット([1]マスクをする、[2]咳・くしゃみの際はティッシュペーパーなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむける、[3]使用したティッシュペーパーはごみ箱に捨て、手を洗うなど)を実行しましょう。日常生活に支障が出る程の症状がある場合は、医療機関を受診してください

旅行後

  • 帰国時に発熱や咳などの症状がある方は、空港内等の検疫所へご相談ください
  • 帰国後14日以内に、発熱や咳などの症状がみられ、最寄りの医療機関を受診する際は、事前に医療機関に連絡の上、中東地域に滞在していたことを告げてください。
  • 症状がある間は、他者との接触を最小限にするとともに、咳エチケットを実行してください

問8 厚生労働省ではどのような対策を行っていますか?

  •  MERSは、平成27年1月21日から、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)において、二類感染症*に指定されていますこれにより、国内でMERSの患者が発生した場合、医師による患者の届出や、患者に対する適切な医療の提供等が、法律に基づいて行われます。(*1月21日より前は、二類感染症相当の指定感染症に指定されていました。)
    また、MERSに感染した疑いのある患者が見つかった場合、検査を迅速に実施し、感染の有無を確認できるよう、全国の自治体と検疫所にMERSウイルス検査のための試薬を配布するなどして、検査体制を整備しています
    空港等の検疫所では、MERSの発生国からの入国者・帰国者でMERSに感染した疑いがある場合、MERSウイルスの検査や健康監視を行っています。このほか、検疫所のホームページやポスターの掲示を通じて、中東地域への渡航者や帰国者に対する注意喚起を行っています(→問7)。
    引き続き、WHO等を通じて最新情報を収集し、国民の皆さんに提供していきます。

 

参考 WHO作成資料 2015.01.21

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