中国経済「神話」の崩壊

神話崩壊

 つい最近まで凄まじい勢いで成長してきた、というよりも、高成長していると見られてきた中国経済はここへ来て馬脚を現し始めている

 そのきっかけは、7月以降の中国市場の株価急落だ中国の株価急落と景気減速の鮮明化によって、一時的に、世界の主要株式市場が一斉に下落したことによって、「中国経済は高成長する」との神話が少しずつ崩れはじめた

中国経済がすぐに破綻に追い込まれる」という極端な悲観論は行き過ぎだろうが中国経済が根源的な問題を抱えていることも疑問の余地はない

その意味では、今回の世界同時株安をきっかけとして、中国経済が抱える問題を的確に把握すると同時に、中国の正しい姿を理解することは重要だ

もともと、中国経済には構造的に二つの大きな特徴がある。一つは、個人消費の割合が低いことであり、もう一つは、輸出と設備投資が経済を牽引するエンジン役を担ってきたことだ。2008年のリーマンショック後、世界経済が大きく落ち込んだこともあり、中国の輸出の伸び率が鈍化した

それに対して当時の胡錦濤政権は4兆元(現在の邦貨換算約80兆円)に上る大規模な景気対策を打ち景気を浮揚させた

 しかし、その景気対策は、結果的に国内の過剰供給能力を一段と拡大することになり中国経済は大きな過剰供給能力を持つことになった

 そうした中国経済の体質を変えるためには、個人消費を拡大させて、輸出・設備投資依存型の構造をモデルチェンジすることが必要だ

そのためには、金持ちと低所得層の間=中間層を育成することが重要になる。国全体の有効需要を大きく拡大するためには、しっかりした購買力を持った中間層を拡大することが重要なのだ

貧富の差はむしろ拡大している?

 現在の中国で、中間層を育成することは容易なことではない共産党一党独裁体制の下で、一部の政府関連機関や国有企業などが経済活動の中心を担っている状況を見ると経済活動全般の効率化を遅れていることは明らかだ

そうした経済システムが生み出す果実を、社会全体に公平に分配する仕組みがワークしていないようだ多くの果実が、共産党幹部や国営や民間の大手企業の経営者の間で分配されており、それが社会の隅々まで行き渡っていない。そのため、中国社会の貧富の差はむしろ拡大しているとの指摘もある

今後、中国政府は国営企業や金融市場の改革を断行すると同時に社会保障制度などの改革を進め、国内の中間層を育成し経済構造のモデルチェンジを図ることが必要だ

しかし、それは口で言うほど容易なことではない既得権益層からの反対は大きく、それを実現することは容易なことではないだろう

 だが、それができないと、今回と同じように“チャイナリスク”の顕在化によって、世界の経済・金融に大きなマイナスの影響を及ぼすことは避けられない世界はそうした中国リスクをかなり理解し始めている

それは、G20の場で多くの国から、中国の社会保障制度の改革を求める声が上がったことからも明らかだ

参考 現代ビジネス 2015.09.13

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