中国共産党も真実を知りたい

中国の景気動向が世界経済を左右する状況になってしまったことで、中国の経済指標に対する関心が高まっています。しかしよく知られているように中国の経済指標の信頼性はあまり高くありません。その中で、比較的信頼度が高いといわれる李克強指数が市場の注目を集めています

中国政府は経済成長率の鈍化に伴い、GDP(国内総生産)の目標値を実質で10%から7%に引き下げています。中国国家統計局による公式の発表では2012年以降、毎年7%台の成長率となっており、4~6月期についても、何とか7%を維持しました。もし本当に7%の成長が維持できているのであれば、中国経済の先行きに対してそれほど悲観する必要はないのですが専門家の多くは、このところの景気失速で7%成長は維持できなくなっていると見ています

 実際のところ、中国の成長率はどの程度なのかが問題となるわけですが、中国の各種経済統計は信頼性が低く、数字を100%信用することができません。その中で比較的信頼性が高いといわれているのが、「電力消費量」「銀行融資」「鉄道輸送量」の3項目からなる、いわゆる「李克強指数」です

中国の統計が信用できないのは、私たちだけではありません中国共産党の幹部にとってもそれは同じで、彼等も手探りの中、経済政策を決定しています。李克強指数は、現在、国務院総理(首相)である李克強氏が、遼寧省トップを務めていた際、外国メディアに対して信用できる経済指標としてこの3つをあげたことに由来しています。このうち銀行融資は政策的なものが増えたといわれており、信用度が下がっていますから、もっとも信頼できるのは、電力消費量と鉄道輸送量ということになります

 電力消費量は2014年前半までは前年同期比5%台の伸びでしたが、2014年後半から伸び率が鈍化し、2015年に入ってからは横ばいに近い状態が続いています鉄道輸送量は2013年後半はプラスでしたが、2014年に入ってマイナスが目立つようになり、2015年からは10%台のマイナスが続いています。2014年までの成長率はともかく、2015年に入ってからの成長率は7%を大きく下回っている可能性が高いと考えられます

中国は輸出産業の育成と公共インフラ投資を経済の機関車とする途上国型の経済から、個人消費を中心とする成熟型経済への移行を進めています。このため、中国は以前ほどエネルギーを消費したりモノを輸送することはなくなっています。しかし、成熟型経済に移行できたとしても、基礎的なエネルギー消費や輸送に対するニーズは変わりませんから、これらの指標は当分の間、中国の景気実態を知る手がかりとして、重宝されるでしょう

参考 THE PAGE  2015.09.03

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