中国全人代→庶民の不満解消意識

5日に開幕した中国の第12期全国人民代表大会(全人代=国会)第4回会議で政府活動報告をした李克強首相は、庶民の不満が強い環境対策や汚職取り締まりを進める方針を強調した一方でテロ対策やインターネット管理を強化する姿勢も併せて示し、硬軟両様で社会不安を抑え込む構えを鮮明にした

李首相は報告で「今年度わが国の発展が直面する困難はより多大に、試練はより厳しくなる」と危機感をあらわにした中国が今年から本格化させる経済の構造調整では、国民に痛みを強いるリストラを避けて通れないからだ

 中国では大気・水の汚染問題で、庶民の不満の矛先は政府に向かっている報告では排ガス基準を満たしていない車や旧型車を380万台廃棄し、窒素酸化物などの排出量を今年3%減らすなどし、違法排出を厳しく取り締まるとした李首相は「違法行為を野放しにしている者についても責任を厳しく追及しなければならない」と規制当局もやり玉にあげた

李首相はまた、昨年起きた重大事故として、6月の長江での客船転覆や8月の天津市での倉庫大爆発を列挙。「政府の取り組みに不十分な点がなお存在し、徹底されていない改革や政策がある」と政府の対応に不備があったことを認めた。事故対処を巡って政府に厳しい視線が注がれていることを意識したものとみられる

腐敗問題については「大衆の利益を侵害する不正の気風を断固として是正し、揺るぐことなく腐敗を処罰する」と明言その上で公務員は「核心意識、一致意識」を強めることが重要との認識を示した。党中央の「核心」とは江沢民元国家主席に使われた政治用語。権力掌握を進める習近平国家主席についても一部地方から「核心」と呼ぶ声が出ており、今回の報告に文言が登場したことは注目されそうだ

一方、中東の独裁国家などで政府批判の舞台になっているインターネット環境については「健全なインターネット文化を育成する」「国のサイバーセキュリティーシステムを整備する」と管理強化を鮮明にした。政府活動報告でこうした方針が盛り込まれるのは初めてだ

テロ対策についても「違法行為や犯罪行為を処罰し、暴力テロ活動を厳しく取り締まる」とし、第13次5カ年計画でも「敵対勢力やテロ勢力によるインターネットを利用した破壊活動の浸透を抑える」と明記中国国内のネット管理は今後一層強まりそうだ

毎日新聞  2016.03.05
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