中国不動産業の黄金時代→終わった

北京紙「新京報」は8日付で「不動産業はすでに黄金時代に別れを告げた」と題する論説を発表した。不動産関連企業の利益率は下落を続けているにもかかわらず、「前方に氷山が出現」しても回避できず、激突して沈没する事態がみられると論じた

論説は、上海と深センの両株式市場に上場している不動産企業75社について、「平均負債率は74.05%。短期借入金は前年比29.33%増」と指摘。資金繰りが悪化しているとの見方を示した

 さらに「大企業と中小企業」、「国有企業と民間企業」、「大都市圏をエリアとする企業と中小都市を対象にする企業」など、状況が比較的良好な企業と、そうでない企業の分化が進んでいると指摘

問題にデベロッパーでは、事業着手から現金化までの期間が長いために「慣性の法則」が強く働き、前方に「状況変化」という氷山が出現したのに船の舵を切れず、「激突して沈んでしまう」場合もあると指摘した

論説は、デベロッパーが直面する困難の遠因として、最近まで続いた猛烈なシェア争いがあると指摘。他社には負けたくないとの一念で、各デベロッパーは「それっ」とばかりに争って土地使用権を獲得したその結果、激烈な販売競争が発生し、販売価格低迷につながったことで「増収減益」になったという

中国では、これまでのような経済高度成長は「もはや望めない」との見方が定着しつつあるいわゆる「新常態」であり、適応のために製品の高付加価値化や経済構造の質の向上が必要との主張が強まっている

論説も、「これまでの粗放な発展を集約化した発展に転換し、質の向上を実現することが内在する不動産業界も例外ではありえない」とし主張した。

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◆解説◆
さまざまな物事への対処、特にビジネスでは「最適化のための合理的判断」を重んじるとされる中国人だが、不合理な行動に突入する場合もある。その一例が「競争心の炎上」だ。自らが利益を得るよりも「相手を叩き潰す」ことにとらわれすぎ、結果として「自らに不利な状況」を招くことがある。

上記論説が触れた、デベロッパー間の「猛烈なシェア争い」も、「競争心の炎上現象」だったと理解することができる。

中国人の集団行動が「競争心の炎上」で説明できる場合は、他にも多い。事故を起こしたトラックの積み荷が集まった人々に奪われるなどの現象が多発しているが、最初は遠巻きにしていただけの人々も、だれかが散乱する積み荷に手を出すと、一斉に「それっ!」とばかりに「略奪」を始めるという。「他人が得をしている。自分も負けられない」との心理が強烈に働くと考えられる。(編集担当:如月隼人)(写真は福建省福州しないで建設中のマンション。2014年8月1日撮影。「本建物、全物件20万元値引き」などの垂れ幕が見える。

参考 サーチナ 2015.04.09

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