中国とロシアの航空産業

中国のポータルサイト「新浪網」はこのほど、「中国はSu-35を買う。J-11では重任に耐えず。ロシアとの航空の差は巨大」と題する記事を掲載した。同記事は、ロシアの航空産業は「経済の低迷や政治の激動で30年以上も足止め状態だった」と指摘した上で、中国はそれでもロシアと比べて大きく遅れていると主張した。

同記事が「重任に耐えず」とした「J-11」がそもそもは、ロシアが開発した「Su-27SK」戦闘機だった。1995年には中国でライセンス生産されることが決まり、「殲撃(ヂェンヂー)-11」あるいは「殲-11」と呼ばれることになった

しかし、Su-27にはそもそも問題が多かった。特にマッハ0.85-1.25の速度帯における機体の強度不足が指摘された。演技飛行の際に、主翼の取り付け部分が明らかに変形している映像がしばしば確認された。低空を飛行中に空中分解した事故も発生した。

さらに、中国軍が求めていた対地/対艦攻撃能力にも大きな制約があった。そこで中国は、Su-27SKすなわちJ-11を自ら、改良することにした。2002年から03年にかけて試作機3機が改良された。改良された「J-11」は、「J-11B」と呼ばれることになった。

J-11Bは垂直尾翼や主翼の設計が変形され、自国開発のデジタル・フライ・バイ・ワイヤが採用されるなど大幅な改良がくわえられた。また、練習機として「J-11BS」も作られた。

しかし、中国空軍で、J-11Bの量産タイプを主力戦闘機として用いている部隊はない。改良前のJ-11や予備生産型のJ-11Bを配備している部隊があるだけだ。

中国ではJ-11Bの開発成功を理由として、「Su-27を配備するロシア空軍より優れた戦闘機を得た」との言い方もあったが、現実にはJ-11Bを主力戦闘機として空軍全体に行きわたらせたわけではない。「性能に不満足な点」があったと解釈するのが自然だ

そして中国はロシアが2008年に初飛行させたSu-35を購入することになった。現在のところ24機を予定しているとされる。

Su-35に、Su-27シリーズで問題となった推力不足はみられない。機動性もはるかによい。中国の軍事情報専門サイト「中国軍網」もSu-35を高く評価し、「2014世界で最も注目された兵器―戦闘機篇」で同機をトップに選んだ

「新浪網」掲載の記事は、中国の戦闘機開発/生産でみられたその他の問題として、「中国国内でライセンス生産されたJ-11Aを部隊に配備したところ、パイロットからロシアで生産されたSu-27と同じ性能が出せないとの声が出た」、「(1998年初飛行の)J-10の初期生産モデルは米国が1980年代に開発したF-16のレベルに追い付けなかった。J-10Aの後期量産タイプで問題がやっと解決できた」などの事例を紹介した。

記事は中国の航空産業のレベルについて「機体設計と製造面で、経済の低迷や政治の激動で30年以上も足止め状態だったロシアの航空産業界と比べても、依然として格段の差がある」と論評した。

記事は自国の技術レベルについて「わが国は工業レベルが相対的に遅れている国」、「大型戦闘機の問題についても、いまだによい回答を提出できていない」などと説明。J-11Bを登場させた経緯についても「空力性能の理解がロシアのレベルに達していないからこそ、技術的なリスクを冒して設計をしなおすことができなかった」と指摘した

参考 サーチナ 2015.01.18

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