中国で日本流「介護サービス」始動

シニア世代を対象とする日本のサービスに、世界が注目している特にアジア諸国で需要が高まるとみられるのは、平成12年の介護保険導入から15年間の蓄積がある介護分野。業界では、急速に高齢化が進む中国への進出を目指す機運も高まっているようだ

国内で有料老人ホームなどを手がける介護サービス中堅のリエイ(千葉県浦安市)は1月、中国で現地法人へのコンサルティング業務を本格的に開始する平成24年から北京、25年から上海で入居施設を運営して培った自社ブランド「礼愛中国」の看板を生かし、施設候補地の選定や職員の育成、管理・運営システム構築などを支援する

椛沢(かばさわ)一社長によると、上海の施設では、入居者の約6割は「息子が日本に留学していた」など日本と何らかの関係があり、良さを知っているという。「時間をきちんと守るなどのマナーの面に加え、介護の記録をとって職員間で引き継ぎしたり、認知症患者を拘束せずに見守りをしたり、といった点が評価されているようだ」と話す。

同社が運営する北京の施設は訪問介護なども行う小規模多機能型(10床)で、行き場のない認知症患者を受け入れている。調理場の衛生管理が高く評価され、現地の行政機関も関心を寄せる。上海では、現地資本と合弁でリゾートホテルを入居施設(238床)に転用し、日本製の介護入浴装置などを導入した

ただ、中国進出には課題もある。椛沢社長は「日本のような介護保険が整備されておらず、介護需要が急拡大する様子はまだない。介護サービスは文化。『きれい』の概念一つとっても日中で違うので、日本的な良さを現地の文化とどう融合させるかも問われる」と指摘する。

介護サービス大手のニチイ学館(東京都千代田区)も昨年7月、中国の政府系機関、中民養老企画院と業務提携し、介護施設のオープンに向けて準備を急いでいる中国では介護従事者が1200万人も不足しているとされ、人材育成やサービス提供のノウハウを生かす。また、製紙王手の王子ホールディングス(中央区)と提携、紙おむつなど衛生的で品質の高い日本製品の普及を図る

注目を集めているのは介護分野に限らない。旅行代理店のクラブツーリズム(新宿区)は、1人参加限定のツアーが50代以上のシニアを中心に人気があり、昨秋、台湾のビジネス誌に特集記事が掲載された。

1人だと日程や料金を気にせず、気軽に参加できる。(1人では)食事が寂しいという声が多いので、食事は一緒に召し上がっていただいている」と広報担当者は話す。

海外から日本のシニア向けサービスが注目される要因は、「きめ細かな心配り」にもありそうだ

参考 産経新聞 2015.01.01

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