中国、受けていた52兆円超の恩恵脅かす

中国は商品価格の下落局面で年間4600億ドル(約52兆2000億円)の恩恵を受けていた今年は原油や鉄鉱石などあらゆる資源の価格が上昇しているため、資源を安く輸入することで同国が得ていた恩恵は小さくなり始めている

このことは、世界2位の経済国である中国の経済成長てこ入れに向けた習近平国家主席の取り組みを困難なものにする商品価格上昇は、世界のどの国より食料やエネルギー、金属を使う中国の消費者から資金を奪っているインフレ圧力も強まり、中国人民銀行(中央銀行)による一段の金融緩和を通じた景気刺激策の余地も制限されつつある

IHSグローバル・インサイトのアジア太平洋担当チーフエコノミ スト、ラジブ・ビスワス氏は電子メールで「原油やガス、鉄鉱石などの商品の価格が大幅に上昇すれば、結果として中国経済に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘する

スターフォート・ホールディングスの会長でゴールドマン・サックス・グループの元アジア担当副会長、ケネス・カーティス氏によれば、原油価格が昨年35%下落したことにより中国は約3200億ドルを節約した残りは金属や石炭、農産物商品の値下がりによる節約分だった中国は消費する原油の約60%を輸入している原油価格が今年、1バレル=27ドルまで下落したため石油精製各社は原油を大量に買い入れ、輸入量は過去最高に増加戦略備蓄は貯蔵能力の推計80%に達している

カーティス氏によれば、原油価格が40%余り値上がりして40ドルに近づいたため、中国が商品値下がりで受ける恩恵は年間ベースで約4400億ドルに減少する見込みこの落ち込みなら中国経済にはほとんど影響を及ぼさないが、原油価格が55-60ドルを維持すれば逆風は強まり始める可能性があるという。UOBケイ・ヒアンのアナリスト、石燕氏は、原油価格が70ドル台に上昇すれば中国の輸入は鈍化する可能性が高いと指摘する

原油価格上昇は中国にとってマイナスばかりではない。価格下落局面で積み上がった在庫の価値が増す可能性があることが一つの理由だ原油が40ドルの水準を維持すれば、ペトロチャイナ(中国石油)や中国海洋石油(CNOOC)などの国内石油生産会社のキャッシュフローにとって支援材料となるこれらの企業の大半は損益分岐点が約50ドルであるため減産を実施していると、石氏は指摘。また、ノース・スクエア・ブルー・オークのアナリスト、田苗氏(北京在勤)は、原油価格上昇に伴って探査が増えるほか、民間投資を引きつける可能性があるとの見方を示した

原題:Commodity Rally Threatening $460 Billion China Bonus
From Slump(抜粋)

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Bloomberg  2016.03.16

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