中国→鉄鋼業の不振深刻

業界団体の中国鉄鋼工業協会は28日、大手・中堅鉄鋼メーカーの1~9月期の業績は、主要業務損益が552億7,100万元(約1兆500億円)の赤字になったと発表した供給過剰に依然として解決のめどが立たず、「鉄鋼業界は全面的な赤字局面に陥った」と危機感を募らせている
純損益を見ても281億2,200万元の赤字。統計対象企業の5割近くに当たる49社が赤字に陥っており、赤字企業の純損失は450億4,200万元と、前年同期の4.5倍に膨らんだ。
協会は「粗鋼生産量はやや縮小したが、消費需要の落ち込みを相殺するには至っていない」と指摘需給バランスの乱れが深刻で、鋼材価格の値崩れが鉄鋼メーカーの業績を悪化させていると分析した
1~9月の全国粗鋼生産量は前年同期比2.1%減の6億1,000万トンと、業界の生産調整がある程度は進んでいることを示した。ただ、同期の粗鋼消費量は5.8%減と生産の抑制を上回る落ち込みになっており供給過剰から抜け出すめどは立たない
中国鋼材価格指数(CSPI)は9月末に61.19、10月第3週時点では59.83と下落を続け、年初からの下げ幅は昨年通年を上回る28%に達した。指数発表が始まって以来の最安値を更新し続けており、協会は「今年ほど急激な下落は前例がない」と指摘した
一方、1~9月の鋼材輸出は27.2%増の8,311万トンと大幅に伸びた。国内の過剰生産を輸出によってある程度消化している形だが、「貿易摩擦の非常に大きな圧力に直面している」(協会)ため、これ以上の輸出拡大は見通せないのが現状だ。
協会の朱継民・常務副会長は「供給過剰を解消するには、需要を増やすか供給を減らすかのいずれかだが、足元の経済状況では需要の増加は望めない」と断言。国や地方政府と業界が余剰生産力の削減を進めていくしか方法はないとの認識を示した。また、企業自身が競争力を高めるとともに、業界内で合併・買収(M&A)を推進していく必要性も指摘している

参考 NNA 2015.10.29

 

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