中国→国際舞台で存在感

米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を舞台に、中国の存在感が一段と高まった中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を歓迎する声は新興国のみならず、英国など先進国からも上がった米国中心の国際金融秩序への挑戦とも言える新たな機関の設立。米中の覇権争いが国際金融でも始まった

◇広がる歓迎
G20会議直前の15日、中国は57カ国に及ぶAIIBの創設メンバーを発表したG20参加国で創設メンバーに加わらなかったのは、日米とカナダ、メキシコ、アルゼンチンの5カ国のみ英国やドイツ、フランスなどの主要国が加わり、これまで国際金融をリードしてきた先進7カ国(G7)の足並みは乱れた
G7で最初にAIIB入りを表明した英国のオズボーン財務相は「世界の(金融)システムに新興国の力を取り込みたい」と発言トルコのババジャン副首相兼経済担当相は、新興国のインフラ整備に巨額の資金が必要なことを踏まえ、AIIBの発足を「歓迎する」と期待感を表明した
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も「(中国の)提案は非常に魅力的」と評価し、世界銀行のキム総裁は「将来に向けた連携を期待している」と語るなど、歓迎ムードに包まれた

◇中国をけん制
「われわれは長い経験で審査のノウハウを持っているが、(中国が)それを持っているとは言い難い」。麻生太郎財務相は記者会見で、歓迎ムードが広がるAIIBをけん制した
日米が主導するアジア開発銀行(ADB)は日本人が歴代総裁でマニラに本部を置くが、AIIBは初代総裁が中国人で、本部も北京に置く予定だ中国が主導する組織運営に日米の不信感が渦巻く中国がアジア・太平洋で海洋進出を強める中、投融資の対象地域が不透明なのも日米の警戒感につながっている

◇はざまで揺れる日本
中国が「自前機関」の設立に走った背景には、世界第2位の経済大国に見合う発言力を既存のIMFで得られていないことへの不満がある発言力に結び付く中国の出資比率を6位から日米に次ぐ3位に引き上げるIMF改革案が2010年に決まったが、米議会で承認が得られず、止まったままだ
米中2強の「新大国関係」を掲げる中国にとって、「AIIBは米国中心の国際金融秩序への挑戦の一里塚だ」(日銀有力OB)というAIIB設立協定の調印が予定される6月末に向け、日本は米国と歩調を合わせ、参加を見送るのか、それとも欧州各国と同様に歩み寄り、中国の懐に飛び込むのか。難しい判断を迫られている

参考 時事通信 2015.04.25

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