不正脈に「心筋冷凍」治療

日本赤十字社和歌山医療センター(和歌山市)は、心臓がうまく拍動しない不整脈の一部で、原因となる異常な電気信号の流れを止めるため、心臓の筋肉(心筋)を部分的に冷凍して細胞を 壊死(えし) させる新しい治療を2月から始めた

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 県内の医療機関での導入は初めて。広く行われている心筋の細胞を焼く方法に比べて、治療時間は短く、患者の負担が少なくなることにつながると期待されている

対象となるのは、不整脈の一種で心臓の上半分の部屋「心房」が不規則に震える「心房細動」異常な電気信号が原因で、肺から流れてくる静脈とつながる「左心房」で発生しやすく、高血圧や糖尿病などの患者や高齢者に目立つ心房細動により血栓(血のかたまり)ができやすくなり、血栓が血流に乗って脳の血管に詰まると重い脳梗塞を引き起こす可能性がある

新治療は、数時間~数日間の不規則な震えが断続的に起こる「発作性」と呼ばれるタイプについて適用。細い管「カテーテル」を、足の付け根などから左心房に通し、先端についた風船を直径約3センチに膨らませた中に冷却剤を注入して、異常な信号を出している細胞にあてる

心房細動の治療では、カテーテルの先端から高周波電流を出し、細胞を焼く治療が広く行われているしかしカテーテルの先端を繰り返し細胞に押し当て、点をつなぐようにするため治療全体で数時間がかかる一方、新しい治療では、治療時間が短縮でき、患者の負担は軽減されるという

2014年夏に「発作性」のタイプの場合、新しい治療が保険適用され、今年1月末現在、全国で約60施設が導入。日赤和歌山医療センターでも今年2月から採用しており、今月7日までに成人の男女7人に施術し、全員が数日で、後遺症もなく退院したという

同センターで新治療法を担当する花沢康司医師(40)(循環器内科)は「高齢化の進行とともに不整脈の患者も増えることが予想される新しい治療法で選択肢が増えたので、より確実に完治できるよう全力を尽くしたい」と話している。(矢沢慎一)

読売新聞(ヨミドクター)2016.03.22

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