一晩で真っ白になるってホント?

あれ!? わたし、こんなに白髪があったっけ!?」
仕事で疲れて帰った後、ふと鏡を見ると、以前よりずいぶん白髪が増えている……。
「やっぱりストレスのせいかな?
と自分を納得させつつも、いまいち分からないことが多いのが白髪。
一晩で真っ白になった」「白髪を抜くと増える」「白髪の人はハゲない」など、まことしやかに語られている白髪にまつわるウワサの真相に迫ります

髪の毛はもともと白髪なんです
まず、白髪が作られる基本的なメカニズムから。髪の毛は頭皮で毛をつくる「毛母(もうぼ)細胞」と、その毛に色を与える「色素形成細胞(メラノサイト)」の2つの細胞によって作り出されます

つまり、毛母細胞が作った、もともと白い毛(白髪)に、メラノサイトがメラニン色素を与えることで、通常の色の髪の毛になるのです。ところが、なんらかの原因でメラノサイトが働かなくなると、色のない髪が伸びていく。これが白髪です

ホントに、一晩で真っ白になるの!?
では、白髪にまつわるウワサの真相を見ていきましょう。

・強い恐怖やストレスがあると、一晩で真っ白になる
フランス王妃のマリー・アントワネットが死刑宣告をうけた後、一夜のうちに白髪になったというのは、よく知られた逸話。中国や日本でも、同じような歴史上のエピソードが伝えられています

しかし、これらのウワサ、残念ながら、ウソ

なぜなら、すでに生えている髪の色素が一気に破壊されて消えてしまうことは、科学的にありえないからです
髪のメラニン色素は日焼けではがれ落ちる皮膚の色素とちがって分解したり、体外に追い出すメカニズムを持っていません

ただ、ストレスや心労によってメラノサイトの機能が低下し、白髪になりやすくなるのは事実
髪を気にする時間もないほど忙しい生活を続け、ふと気づいたときには一気に白髪が増えていた。そんな印象を持つことは十分に考えられます

◆白髪を抜くと増える?
このウワサは、本当です。理由は主に2つ。

理由その1 周りの毛にダメージを与えてしまう
実は髪の毛は、ひとつの毛穴から3本くらいが共に生えていますそのうちの1本が白髪だった場合、これを抜くと毛の根本部分にある「毛球」がダメージを受けます同じ毛球から生えている周りの毛にも悪影響を与えて、白髪になりやすくします

理由その2 目立つ白髪が生えやすくなる
白髪を抜くと、毛穴が傷つき、変形してしまうことがあります曲がった毛穴から生えやすくなるのが、チリチリ、うねうねした波状の白髪曲がりくねった白髪は普通の白髪より目立ってしまうため、全体的に余計に増えたように感じられます
白髪とハゲの関係

では、白髪の人はハゲない(ハゲにくい)。これは本当でしょうか。

実は、このウワサもウソなんです。

前述の通り、毛をつくるのは毛母細胞で、色素を作るのはメラノサイト。2つの細胞は異なるので、理論的に真実ではありません
ではなぜ、「白髪=ハゲない(ハゲにくい)」というウワサが広まったのでしょう。

答えはおそらく単純で、髪がフサフサな人は、髪の色がよく目立つ一方、ハゲている人は、髪の色うんぬんよりも「ハゲている人」という印象の方が強くなりがちもしハゲに白髪が生えていたとしても、人は少ない毛をよくよく見ないものです

その結果、白髪の人はハゲている人が少ない、という印象が広まったと思われます

マリー・アントワネットの伝説に象徴されるように、白髪はその神秘的な白さや、個人差が大きくメカニズムが長らく不明だったことなどから、様々なウワサや伝説が生まれやすい存在です

でも、良い年の重ね方をした人の白髪は美しく、ときに輝いて見えますよね白髪について正しい知識を持って、髪の毛と末永く健やかなお付き合いをしたいものですね

参考 Mocosuku編集部  2015.07.19

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