リンパ管と「たるみ」の関係を初めて解明

資生堂は2015年7月13日、大阪大学微生物病研究所の高倉伸幸教授との共同研究により皮膚のリンパ管の機能が低下すると皮下脂肪が蓄積し、ひいては「たるみ」の原因となることを初めて明らかにしたと発表した。また、このリンパ管を強化、正常化する効果が、セイヨウアカマツの球果(まつぼっくり)から採取した「マツエキス」にあることも、世界で初めて発見した。資生堂では、この研究成果について、今後のスキンケア化粧品に応用すべく開発を進めるとしている。(写真は、「むくみ」が「たるみ」につながるメカニズム。資生堂のニュースリリースより)

 資生堂は栄養や酸素を供給する毛細血管と、水分や老廃物を回収するのに欠かせないリンパ管の研究に注力している。これまで、紫外線の影響や加齢によって、毛細血管・リンパ管の構造がもろくなり、栄養が肌の隅々までいきわたらなくなることやリンパ液の回収機能が低下してしわの原因となる炎症が長引くことなど、血管やリンパ管の機能低下が皮膚老化の根本的な原因のひとつであることを見出してきた

高倉教授との共同研究を進めるにあたって、リンパ管の状態と「たるみ」が関係しているかもしれないという着想のもとで研究を開始。高倉教授は、リンパ管の機能を高める生体内因子として新たに“アペリン”を見出し、さらに、皮下脂肪の蓄積を抑えることを発見した

この研究成果を踏まえ、リンパの機能と皮下脂肪が蓄積する関係を詳細に調べると、(1)リンパ液中に豊富に存在する脂肪酸がリンパ管の不安定化を引き起こし、リンパ管の外へ漏れ出ること、(2)漏れ出た脂肪酸が脂肪細胞の分化を直接促進すること――を明らかにした。さらに、「アペリン」にはリンパ管から脂肪酸が漏れ出ることを抑制する機能があることがわかった。この研究成果は、2015年5月6日~9日に米国のアトランタ(ジョージア州)で開催された米国研究皮膚科学会(SID annual meeting)で発表された。

すでに、資生堂の研究によって、「たるみ」の部分では、皮下脂肪が蓄積していることが明らかになっている。今回の結果は、リンパ管の機能低下によって生じる「むくみ」は、皮下脂肪の増大・蓄積に関与して「たるみ」を引き起こしているというメカニズムの発見を意味している

この成果を受け、資生堂は大阪大学と共同で、「アペリン」と同じ機能を持つ生薬成分のスクリーニングに着手し、約200種の生薬成分の中から、APJに結合するアペリンと同等の高い活性がある「マツエキス」を見出したという

 「マツエキス」は、アペリンと同様に脂肪酸によるリンパ管の不安定化を抑制する効果があることがわかった。また、「マツエキス」を配合した試作品を2カ月間(朝、晩)使用したところほうれい線・フェースライン・首のたるみを改善する効果があることが認められたという

資生堂では、この研究成果をスキンケア化粧品に応用すべく開発を進めていくとしている。

参考 -チナ 2015.07.13

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