ヤマハ→50㌔/L超の低燃費エンジン開発

ヤマハ発動機は3月18日原付第二種(排気量125cc以下)クラスの新型スクーター「NMAX(エヌマックス)」を国内で発売する大型スポーツ車「TMAX」などのデザインを引き継ぐ新シリーズとして、国内で初めて低燃費の「ブルーコアエンジン」を搭載1リットル当たり50.5キロ(2人乗車時)の燃費性能と走りの楽しさを両立し、有望市場の同クラスで攻勢をかける

エヌマックスは2015年2月に、生産拠点のあるインドネシアで発売。販売台数は年1万2000台の計画に対し、15年末までに累計9万台に達する人気車種。国内では希望小売価格34万200円で、年1万台の販売を計画する

最大の特徴は高い燃焼効率と冷却性能、駆動力の損失低減ブルーコアエンジンはこの3点に焦点を絞って開発したまず燃焼効率の向上は、吸気バルブの作動を変えられる機構をヤマハの125ccモデルとして初めて採用シリンダー内で燃料とともに圧縮する空気の量を低中速と、毎分6000回転以上の高速で切り替え、最適な燃焼を図りつつ低速の「粘り」と高速の「伸び」を楽しめる

次に冷却性能を高めるため、ヤマハが02年に世界で初めて開発したオールアルミ製ダイカストシリンダーを採用したアルミは熱伝導率が鉄の約3倍と高い一方で、質量は約3分の1と軽量。だが、従来は摩耗に弱いアルミを補強する鋳鉄を内壁に使用したシリンダーを使っていた。

そのためヤマハはアルミにシリコンを20%を含ませて耐摩耗性を引き上げ、冷却性能を従来比60%向上。放熱性を高めてエンジンオイルの消費を減らしたうえ、エヌマックスはさらに改善した材料の使用などで軽量化を進めた

また、エンジンを適温に保って燃焼効率を上げる「ラジエター」には、水温に応じて冷却水を循環するバイパス式サーモスタット(ラジエター内の温度調節装置)を使い、温める際の時間を短縮して燃費性能につなげている

駆動力の損失を低減する工夫としてはピストンを回すクランク部分をシリンダーの真下からずらし、ピストンが側壁面に押しつけられることによる力の損失を抑制している

このほかにも、ねじり剛性を高めたフレームを新設計し、車輪のロックを防ぐ「ABS」を標準装備するなど操作性にも配慮している

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ヤマハはエヌマックスを125ccクラスの「頂点モデル」として投入することに加え、ファッションスクーター「ビーウィズ」の125ccモデルを2月10日に発売して原付第二種のラインアップを拡充した

日本自動車工業会(自工会)によると国内の二輪車市場は少子高齢化や若者のバイク離れで14年度は43万5000台と10年前から約4割縮小している中、原付第二種は9万2000台と、この10年間でも8万~10万台の水準で底堅く推移している主に通勤・通学だった用途が、「ツーリングなどにも広がっているためだ」(業界関係者)。125ccのスクーターは小型限定免許で乗ることができ、自工会は市場拡大に向け免許取得要件の緩和などを求めている。

ブルーコアエンジンはすでに、インドやタイ、ベトナムなどで採用実績があるが、国内ではエヌマックスが初搭載となるヤマハは「デザイン性や走りのスポーツ感を重視する20~40代男性を中心に新たな価値を提案したい」としている。(会田聡)

2016.02.20

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